サウジアラビア、国内にF1ハブの立ち上げを熱望。積極的にモータースポーツへ関与すべく20年計画を構想

2023年1月10日(火)16時44分 AUTOSPORT web

 サウジアラビアは現在、F1カレンダー上に確かな地位を占めている。しかし同国はさらに、サウジアラビア版のモータースポーツバレーを立ち上げてF1トップチームの拠点とすることを目指している。


 サウジアラビアがF1と締結した10年契約によると、ジェッダで今後数年間レースを行い、キディヤに建設中の新しい複合施設が完成した時点でそちらをサウジアラビアの常設F1サーキットにする。しかし、サウジアラビア自動車・オートバイ連盟の会長を務めるハリド・ビン・スルタン・アル・ファイサル王子は、同国がモータースポーツにさらに深く関わり、将来的には、イギリスにあるレース関連の中枢地区と同様の本格的なモータースポーツハブを国内に立ち上げることを目指している。


「我が国にハブを立ち上げたい」とハリド王子は『Motor Sport』誌に語った。「我が国にはモータースポーツの将来を支えられる大企業がある」


 サウジアラビアの公的投資基金は現在、マクラーレンとアストンマーティンのオートモーティブ部門に多額の投資を行っており、そうしたコネクションを通じて、サウジアラビアに構想中のハブにF1の強豪チームを呼び込めるとハリド王子は考えている。


「その実現を願っており、そのために動いている」とハリド王子は述べた。


「大手マニュファクチャラーのひとつに来てもらえればうれしい」


「民間の投資ファンドがマクラーレンとアストンマーティンの株を購入するなど、クルマには多大な投資をしている。そうした流れで動いている」


「サウジアラビアに本拠地を新設してもらうか、移転してもらうことを願っているが、人材を雇用してF1マシンの製造やテクノロジー面で助言を受け、わが国独自のブランドを立ち上げて知的財産権を保有することも考えている」

2022年F1第2戦サウジアラビアGP ランス・ストロール(アストンマーティン)


 F1の強豪チームを説得し、サウジアラビアに移転させるのはかなりの難題であり、近い将来に実現することとも思えない。イギリスのモータースポーツバレーはミッドランズとオックスフォードシャーにまたがる地域で、現在、10あるF1チームのうち7つがここに本拠地を設けている。しかしそれだけではなく、モータースポーツのエコシステムを構成する4300のサプライヤーもまたこの地域を拠点としている。


 イギリス以外で活動しているのは、マラネッロを拠点とするフェラーリ、ファエンツァを拠点とするアルファタウリ、ヒンウィルを拠点とするアルファロメオ・ザウバーのみだ。


 サウジアラビアはF1に加え、現在同国で開催中のダカールラリーのホスト国となっており、その他、FIAのフォーミュラE世界選手権やエクストリームEオフロードシリーズの開催地ともなっている。またMotoGPも間もなく同国にやってくる。


「わが国は20年計画を立てており、2023年末か2024年初頭には実施に移る予定だ。我々の目標は国際イベントを開催することに留まらない。モータースポーツにさらに関与していきたい」とハリド王子は語った。


「エンジニアが欲しいし、メカニックも欲しい。マシンを製造したい。我々はクリエイティブでありたい」


「インフラとサーキット建設に大いに投資している。さらに積極的に関わっていけるよう、アカデミーも創設したいと考えている。サウジのチームがサウジのドライバーで走るか、他国のドライバーがサウジのチームで走れるようにしたい」


「実現への道のりはまだ遠いが、2030年、2035年、2040年、その辺りには我々の目標を現実のものとしたい」

F1サウジアラビアGPが開催されるジェッダ・ストリート・サーキット

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