韓国代表、消化不良のまま敗退となった3つの要素…59年ぶり優勝は遠く、アジア杯8強止まり

1月27日(日)7時53分 サッカーキング

カタールに敗れ、ベスト8で姿を消した韓国代表 [写真]=AFC

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 25日に行われたAFCアジアカップUAE2019準々決勝で、韓国代表はカタール代表に0−1で敗れ、59年ぶりとなるアジア王者の座に就く夢は今大会でも果たせなかった。

 韓国は主将でありエースであるソン・フンミンが、2018年夏に行われたアジア大会に兵役免除を勝ち取るため出場。所属クラブのトッテナムでの開幕からの数試合を欠場することになったため、交換条件としてアジアカップの最初の2試合を欠場することが決まっていた。

 その最初の2試合、フィリピンとキルギスを相手に勝ち切ったものの、1−0と最少スコアでの勝利。ソン・フンミンが合流後、即先発した第3戦の中国戦こそ、2−0で勝利したが、決勝トーナメント1回戦のバーレーン戦はボールを支配するも、シュートシーンに持ち込む場面は少なく、延長の末に2−1と競り勝った。そして、カタールには0−1。ボールを支配するも、ネットは揺らせなかった。

■ゲームメーカーの不在

 韓国はパウロ・ベント監督就任以降、丁寧につなぐサッカーを志向。しかし、大会中はボールを支配するだけで、攻撃のスイッチが入るには至らなかった。これは中盤の底に入るキ・ソンヨンが初戦で負傷し、中国戦後にチームを離れたことが大きい。離脱後のダブルボランチはチョン・ウヨンとファン・インボムが務めることが多かったが、効果的にパスを散らす、前線に飛び出すシーンは少なく、3戦目以降はソン・フンミンが中盤に降りてきてゲームメークする場面が多くみられた。これにより、前線との距離が離れ、3列目からの飛び出しも無いために、ペナルティエリア内の人数不足につながった。もちろん連戦の影響から、ソン・フンミン自身のキレが今一つだったことも否めない。

 さらに、左サイドハーフに入るイ・チョンヨンはエリア内に飛び込むタイプではなく、右サイドのファン・ヒチャンも個での突破は何度か見られたが、飛び込んで点で合わせるシーンは少なかった。カタール戦ではファン・インボムをトップ下に置き、ソン・フンミンをサイドに置いたが効果は無く、躍動感を欠いた攻めになってしまった。

■DFからのビルドアップができず

 センターバックはキム・ミンジェとキム・ヨングォンが5試合すべてでペアを組んだが、スイッチとなる縦パスを出すことが少なく、チョン・ウヨンがDFラインまで降りてきてビルドアップを図ることが多かった。前述のソン・フンミンが中盤に降りてくるだけでなく、チョン・ウヨンがDFラインまで降りてしまうため、さらに前線にいる人数が不足。高い位置を取っているサイドバックにボールが渡ったとしても、ペナルティエリア内にはファン・ウィジョしかいない事態となった。

 また、両CBとも自陣でプレッシャーをかけられた際など、不安定なボールさばきをすることが散見。チョン・ウヨンはバーレーン戦後、「ベント監督のやろうとしているサッカーは、僕らがボールを持って試合をするスタイルで、選手たちも理解している。時間が経てばもっと良くなる」と話してくれたが、このスタイルを確立するためには、特にDFラインおよびボランチの個々のスキルアップも求められる。

■ダイナミズムの欠如

 韓国は中央からの崩しがうまくできず、両サイドバックからの攻めに頼ることが多かった。右サイドバックのイ・ヨン、左サイドバックのホン・チョルとキム・ジンスは積極的な動きで高い位置を取っていたが、チームの狙いだったであろうニアサイドへの低いクロスにファン・ウィジョがつぶれる形までは持ち込めても、前述の通り、エリア内に枚数が少ないため、詰めきることができず。

 ボールを握るがあまり、前の選手を追い越す、空いたスペースへ飛び込むといった、味方からのボールを呼び込むフリーランがサイドバック以外は無く、チーム全体でダイナミズムを欠いた。

 ロシアW杯後からチームを率いるパウロ・ベント監督は試合後の会見で、今後も戦い方のスタイルを変えないことを強調したが、目指すサッカーに対して、スタイルが合致している選手がそろっているかと言われると、今大会ではそうではなかった。また、手詰まりになった時の“プランB”が無いことも露呈。親善試合では好結果を出していたベント監督だが、タフな戦いとなる公式戦で目指すサッカーを実行するにはまだ時間を要することになりそうだ。

取材・文=小松春生

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