「フォームがマー君になってきた」WBCで共闘の巨人・内海投手コーチが新加入のベテラン右腕の復活を予言
2025年2月7日(金)6時0分 スポーツ報知
ブルペンで投げ込む田中将。7台のカメラで投球フォームを確認した(カメラ・今成 良輔)
巨人に新加入した田中将大投手(36)が6日、宮崎キャンプ第2クール初日にブルペン入りし、今キャンプで初めて実戦と同じ18・44メートルで捕手を座らせて43球。スタッフが7人がかりで映像をチェックした。S班調整を続けながら久保巡回投手コーチとの二人三脚でフォーム改造に取り組む日米通算197勝右腕。自他ともに「変わった」とされる新フォーム、昨季からの変貌ぶりを投手担当の堀内啓太記者が「見た」。
ミットを鳴らす音が変わってきた。ムダを省いた新フォーム、投じる球の威力に、田中将の充実ぶりがにじんだ。ブルペン入りした4日の約17メートルからさらに距離をのばし、今キャンプ初となる18・44メートルでの本格的な投球練習。右打席に構えた久保巡回投手コーチもキレ味にうなる。43球全てストレートで現在地を確認すると「OKです!」と気持ち良さそうに汗をぬぐった。
初日にメスを入れたフォームに一体感が出てきた。逆傾斜の利用など、多様な意識づけで体重移動時につぶれていた軸足は立ち上がり、横振りだった体を縦回転に矯正。重心が上がることでリリースポイントの位置も高くなり、打者に打ちづらさを感じさせる角度が生まれる。体の動きの「シンプル化」を重視し、バラバラだった下半身と上半身の連動性を取り戻した。第1クール中に「投げている感覚が全然違う」と変化を感じ取っていた新投法は、「変わらずいい感じ」と着実に完成へと向かい始めた。
ここからまた、進化の速度は加速するとみる。リスクも承知の上で決断したフォーム大改造。進む方向が間違っていないと確信できたのがこの日だったはずだ。練習後、タブレットを用いてデータ班やコーチら総勢7人がかりで映像を確認。聞こえてきたのは「変わってきてる」という前向きな声だった。「自分の感覚だけでなく、周りの見ている人からもそういう声をいただけるのは“いい方向”に変えられているのかな」。表情には自信が漂い始めていた。
当初はブルペン入りを遅らせ、ネットスローでのフォーム固めに10日ほどかかる計算だった。それがここまで5日で投球練習3度。順調すぎる変ぼうぶりに、13年のWBCで共闘した内海投手コーチも「フォームがマー君になってきた。めちゃくちゃいい。軽い力感でも手元でピュッとくる」と復活を予言。目標とする2月下旬の実戦登板も「見えてきた」と太鼓判を押した。36歳のベテランが、新天地で充実の一途をたどっている。