WEC:ニッサンからギブソンへ。バイコレス、残り2戦に向けエンジンメーカーを変更

2019年2月18日(月)13時45分 AUTOSPORT web

 WEC世界耐久選手権の最高峰LMP1クラスを戦うバイコレス・レーシング・チームは2018/2019年“スーパーシーズン”第7戦スパ・フランコルシャン、最終戦ル・マン24時間に向けて、搭載エンジンメーカーをニッサンからギブソンにスイッチした。


 パーツサプライヤーとの間に起きた問題を理由に、3月14〜16日にアメリカ・セブリングで行われるWEC第6戦セブリング1000マイルを欠場するバイコレス。チームはこのアナウンスと同時に、第7戦スパ6時間からシリーズに復帰を果たすとしていたが、同ラウンドからエンジンメーカーがニッサン/ニスモからイギリスのギブソン・テクノロジーへと変更されることが分かった。


 元F1オーナー、コリン・コレスの名を冠するチームは2017年シーズンからオリジナルシャシーのENSO CLM P1/01に、ニッサン/ニスモ製の3.0リッターV6ツインターボエンジン“VRX30A evo”を搭載してLMP1クラスに参戦すると、翌2018年からスタートしたスーパーシーズンにも同様のパッケージで参戦していた。


 しかし、チームは今回、2018/19シーズンの残り2ラウンドへの出場に向けてギブソンと新たな契約を交わしたという。


 これによりバイコレスは第7戦スパから、LMP1クラスのライバルであるレベリオン・レーシングとドラゴンスピードの2チームも使用している、ギブソン製4.5リットル自然吸気V8エンジン“GL458”をマシンに搭載することとなる。また、このパッケージはシリーズ最終戦の第87回ル・マン24時間でも継続される見込みだ。


 なお、ギブソン製エンジンは5月初旬のスパ6時間のひと月前となる4月に、チームのワークショップにデリバリーされる予定だという。

バイコレス・レーシング・チームのENSO CLM P1/01・ニスモ
VRX30Aエンジンは2015年のル・マンに参戦したFFプロトタイプ『ニッサンGT-R LMニスモ』に搭載されていた


「誰もが目にしただろうが、我々は最近のレースで困難な経験をし、苦しい時間を過ごしていた。いま、新しい章に移るときが来たんだ」と語るのはチーム代表のマンフレディ・ラベットだ。


「ギブソン製エンジンを動力源とする『ENSO CLM P1/01』は、我々の絶え間ない努力と投資に値する結果をもたらしてくれると確信している」


「スパへの準備を整えることはとても大きな挑戦となる。しかし、(ドイツの)グレーディングで働く我々のチームは、F1とWECで多くの実績を重ねており、このようなチャレンジを心から愛しているんだ」


 また、ギブソン・テクノロジーのオペレーションマネージャーを務めるジョン・マンチェスターは次のように述べた。


「ギブソン・テクノロジーの全員が、弊社のエンジンがまたひとつのトップコンテンダーに選ばれたことを喜んでいる」


「我々はバイコレス・レーシングの歴史のなかに加わる新しいフェーズの一部になることを楽しみにしているんだ。チームと協力しながら世界有数のスポーツカーメーカーやエンジンメーカーに対抗できるエンジン技術の開発を進めていくつもりだ」


 2018年のスパでは、ワン・ツー・フィニッシュを決めたTOYOTA GAZOO Racingに次ぐ3位表彰台を獲得したバイコレス・レーシング・チーム。それからちょうど1年後に行われるシリーズ第7戦で、ギブソンとの新パッケージを構築するチームがどのような走りを見せるのか注目したいところだ。

ギブソン製NAエンジンを使用しているレベリオン・レーシングのレベリオンR13・ギブソン
“GL458”を搭載するドラゴンスピードの10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソン


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