2026年よりF1には11チームが参戦。FIA会長は次の目標に「中国自動車メーカーの参入」を掲げる
2025年2月22日(土)9時0分 AUTOSPORT web
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FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、世界最大の自動車市場を代表し、中国のマニュファクチャラーがF1グリッドの12番目のチームとして参加することを望んでいると表明した。
ゼネラルモーターズの傘下ブランドであるキャデラックは、2026年からF1に参戦することになっており、これによってF1の参戦チームは11チームに、マシンは22台になる。
しかし、過去3シーズンにわたりF1には中国人ドライバーの周冠宇がおり、ビン・スライエムは中国の自動車メーカーを迎えることが以前からの個人的な目標であったことを明らかにした。フランスの新聞『Le Figaro』にその可能性について尋ねられたビン・スライエムは、「心を読まれたようだ」と語った。
「大国がF1に参戦することが、この2年間の私の夢だった」
ビン・スライエムのコメントは、ロサンゼルス・ドジャースとチェルシーFCのオーナーであるマーク・ウォルターが所有する金融グループ『TWG』との提携を通じて、キャデラックのF1参戦が決まった後に出されたものだ。これはアンドレッティ・グローバルが開始した長期にわたるプロセスの集大成であり、後にキャデラックとの共同作業へと発展した。
ビン・スライエムは中国に関心を向けることに熱心で、「アメリカはゼネラルモーターズとともにある。次のステップは中国のマニュファクチャラーを迎えることだ。我々にはすでにドライバーがいる」と述べた。ただし、新規エントラントはF1の厳密な基準を満たさなければならないと強調した。
「量を考えるべきか、それとも質を考えるべきか? 我々には質の高いチームが必要だ」とビン・スライエムは述べ、スポーツで成功するために必要な高い基準を維持するというFIAの取り組みを強調した。
中国チームの参入は、主要市場での存在感を拡大するというF1の戦略的取り組みと一致するだろう。中国GPは最近、2030年までの契約延長を確保し、F1の長期ビジョンにおける彼らの役割を確固たるものにした。
中国の自動車市場は他に類をみないもので、年間3000万台以上の自動車を生産している。これはアメリカ、日本、インドの合計を上回る数だ。吉利汽車のような中国メーカーについては、世界的な存在感に加え、ボルボ、ロータス、ルノーといったブランドへ投資を行っていることを考えると、F1に自然に適応できる可能性がある。
また2024年に吉利はルノーと合弁会社『HORSE Powertrains』を設立し、F1参入の根拠をさらに強めている。同社は複数のブランド向けのエンジンの製造を専門としており、モータースポーツの最高レベルで競争するために必要な技術的専門知識を誇っている。
F1は国際化を継続的に推進しており、中国のマニュファクチャラーが参加することは重要な節目となるだろう。ビン・スライエムにとって、これは単にグリッドを拡大する以上の意味を持つ。それは、F1の旗の下に世界の主要市場を統合することだ。中国チームの夢はまだ始まったばかりかもしれないが、FIA会長の支援とスポーツ界の中国への注目の高まりにより、F1グリッドに中国のマニュファクチャラーが参入するというビジョンは現実に近づきつつある。
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