ソフトバンク・上沢 2種類カーブでオリ打線を手玉に2回完全 小久保監督「順位的には...」
2025年2月23日(日)6時5分 スポーツニッポン
◇オープン戦 ソフトバンク7—0オリックス(2025年2月22日 宮崎アイビー)
あいさつ代わりの厄介なカーブで魅せた——。ソフトバンクに新加入した上沢直之投手(31)が22日、オープン戦の“開幕”となったオリックス戦に先発した。初実戦で2回無安打無失点、23球でお得意さまとしてきたオリックスを料理し、開幕ローテーション入りはほぼ内定。持ち味である2種類のパワーカーブには、開幕2カード目でぶつかる古巣・日本ハムの007も警戒を強めた。
わがカーブに一片の狂いなし。1—0の2回1死、オリックスのラオウこと杉本へのカウント1—2からの4球目だ。上沢は内角高めからストンと縦に変化する121キロのカーブで、104キロの巨体をのけぞらせ、見逃し三振に打ち取った。
「パワーカーブですね。少し杉本さんのは、横曲がりしたかなって気がします」。初回1死では2番・太田にも同球種の123キロで、こちらは空振り三振。2三振ともに決め球はパワーカーブだった。この日の最速は140キロと直球の出力は完成途上だが「変化球はしっかりとコントロールできた」。変化球だけでも幻惑するには十分な技量がある。
持ち球は直球含め8種類。そのうちカーブは2種ある。「力を入れて投げるので球速の変化が大きい」と120キロ台になるのがパワーカーブで杉本にはカウント球に通常のカーブも挟んだ。1ボールからの2球目に見逃しでストライクを奪った117キロがそれだ。結局、たった23球で2回を完全デビューだ。
ネット裏には他球団のスコアラーが集結。2年ぶりに投球を見た古巣・日本ハムの関根裕之スコアラーは「直球は調整段階。すっきりしていないし、彼の中ではまったくまだと思います。でもあの嫌なカーブがある。あれがビタビタに決まりだしたら厄介」と語り、エスコンで開催される開幕2カード目に上沢をぶつけてくるのではと警戒感を高めた。
仮に日本ハム戦に回れば4月は18年4月24日から23年7月1日に止まるまで12連勝し、この日も封じた得意のオリックス戦に2カード登板が可能で、現実味はある。小久保監督の評価も日増しに上昇し、スチュワートが負傷離脱している開幕ローテ入りに関しては「競争は変わらないけどブルペンの状態、今の段階での順位的には入ってきてもおかしくない」と限りなく合格に近い評価を下した。
ただ、本人はマイペースだ。「でもそんなにすぐに出力が出たら苦労はしませんよ」と自己分析し、登板後はブルペンで直球を約20球おかわりした。「直球に強さを求めてしっかり練習したい」。開幕までまだ1カ月以上ある。上沢はさらに強さを求めていく。 (井上 満夫)
▼西武・黒瀬春樹スコアラー 全体的にいいけど登板の途中で、登板時に合わせてスタイルも変えられるんです。出力なんかはここから、さらに上げてくるでしょうね。打ち崩すのは難しいですね。カーブが実に厄介。あのカーブがいつ来るか分からないんですよね。
▼オリックス・別府修作スコアラー まだ球自体の力が途上ですね。まだ上がり切っていないような。もう少し様子を見たいですね。