エンジン搭載位置変更、剛性向上……ニッサンGT-RニスモGT3の改良点が明らかに

2018年2月24日(土)16時33分 AUTOSPORT web

 2月24日、日産自動車/ニスモは2018年のモータースポーツ活動計画発表会を行い、今季GT3オフィシャルパートナーチームとしてニッサンGT-RニスモGT3で戦うGAINERのドライバーたちが登場したほか、これまで公表されていなかった、18年モデルの改良点も明らかにされた。


 世界中で多くの実績を残してきたニッサンGT-RニスモGT3。2018年に向けては“エボルーションモデル”として18年モデルがリリースされることになり、スーパーGT300クラスではGAINERが星野一樹/吉田広樹というコンビで10号車を、平中克幸/安田裕信が11号車をドライブする。


 また、ブランパンGTシリーズ・アジアではKCMGが18年モデルを2台走らせることが12日に発表されているが、この日はニスモの片桐隆夫社長から、SROから公表されているとおり、ブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップにRJNモータースポーツからGT-Rが参戦することが発表されている。


 日産グローバル本社ギャラリーで行われた発表会では、ステージ上に2018年モデルが展示されたほか、GAINERの4人のドライバー、そして開発に携わったミハエル・クルム、柳田真孝、藤井誠暢、そして石川裕造ニスモ開発担当が登壇し、18年モデルについて語った。


 石川開発担当から明らかにされた2018年モデルの改良点は多岐に渡る。まずエンジンに関しては、これまで市販のGT-R同様の搭載位置だったが、オイルパンを取りエンジンをドライサンプ化。130mmほど搭載位置が下げられたほか、さらに前後位置でも150mmほど車体中央に移され、低重心化・重量配分の最適化がされているという。

2台のニッサンGT-RニスモGT3で参戦するGAINERの4人のドライバーと藤井監督
GAINERの10号車をドライブする平中克幸と安田裕信
GAINERの10号車をドライブする星野一樹と吉田広樹
2018年モデルのニッサンGT-RニスモGT3の開発を務めたミハエル・クルム、柳田真孝、藤井誠暢


 また、サスペンションも「ドライバーに正しくレスポンスされるように」改良を受けているほか、これまでニュルブルクリンク等で車高を高くした際に影響を受けていた空力面での不利を解消するべく、車両姿勢の変化に影響されない安定したダウンフォースの確保を目指した改良がされている。


 また、エンジン搭載位置の変化によりラジエーター搭載位置も変更され、「スペースをゆったりととれるようになった」ため、冷却効率も向上。また、エアフローも有利になり、ダウンフォースにも好影響を与えているという。


 さらに軽量化とフロントまわりの補剛によるねじり剛性の向上、トランスアクスルの変更、外気取り入れの変更によるコクピット内の居住性の向上、ステアリングの変更、最新の安全規則への対応、信頼性向上など、2018年モデルのニッサンGT-RニスモGT3の変更点は多岐に渡る。


 2017年3月ごろから開発を務めてきた柳田は「シェイクダウンのときから、スタート地点が大きく違うと感じた」という。また、藤井も「クルマ自体がすごく進化していて、すごく戦闘力を感じた」とコメントしている。


 このマシンで実戦を戦うGAINERの4人は、すでに2月のセパンテストでGT-Rを体験済み。「すごくバランスが良かった。あとは自分たちのセッティングや、タイヤの開発を進めていければトップ争いができると思う(平中)と手ごたえを得ている様子だ。


 2016年に大きく変更された海外GT3カーと同様、GT-RもGT3カーとしてさらなる改良を受けてきた。最終的に性能調整が課せられるとはいえ、車両の余力は結果に即つながる。ライバルも注視するニッサンGT-RニスモGT3のパフォーマンスはGT300でも注目の存在だろう。

2018年モデルの改良点がスライドで紹介された
2018年モデルの改良点がスライドで紹介された。上が18年モデル、下が15年モデルのエンジンルームとエンジン
2018年モデルの改良点がスライドで紹介された
2018年モデルの改良点がスライドで紹介された
350号車ニッサンGT-RニスモGT3は、後半開始初日はダンロップを履いた。


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