ウイリアムズの技術部門責任者が語る、2018年F1マシン開発の“カギ”とは

2018年2月24日(土)7時30分 AUTOSPORT web

 ウイリアムズの技術部門を率いるパディ・ロウは、シーズン中の開発によってゲインを得ようとするなら、やはりバージボードが焦点になると考えている。 

2018年ウイリアムズFW41、2017年フェラーリSF70

 2018年の新車発表では、まずハースが先陣を切り、ウイリアムズ、ザウバー、ルノーなどがこれに続いたが、各チームの新型マシンに共通する技術的特徴は、サイドポッド前端付近の構成がとても複雑であることだ。


 特に複数のエレメントからなるバージボードの複雑さは、昨年の水準を大きく上回る。ロウによると、空力エンジニアたちがこのエリアの開発に努力を注ぐ傾向は、今季も続くはずだという。


「ご存知のように、2017年からのレギュレーションでは、バージボード周辺に新たなスペースが規定され、これまでになかった開発の自由が与えられた」と、ロウは言う。


「結果として2017年には、このエリアに投入される新デバイスの数が爆発的に増えた。こうした傾向は、まだまだ続くだろう」


「私たちのクルマ(FW41)を間近で見れば、やはりこの領域で、さらなる開発が進められたことが分かるはずだ」


「それは競争相手となるチームのクルマでも同じだと思う。なぜなら、昨年施行されたレギュレーションにおいて、まだ開発の余地があり、最も大きな可能性が残っているのは、このバージボード周辺のエリアだからだ」


 今季のレギュレーションでは、全チームが採用していた『シャークフィン』と『Tウイング』が消滅し、排気流を利用した『モンキーシート』のコンセプトも見られなくなった。こうしたレギュレーション変更により、空力開発の努力はサイドポッド周辺に集中したという見方もできるだろう。


「昨年のTウイングとエンジンカバーのフィンは議論を呼び、誰もがその醜悪な見た目に不満を覚えていたことから、たった1年で姿を消した」と、ロウは述べた。


「その結果、今年の新車はこのようなものになった。これが2018年のレギュレーションで許される、ギリギリのサイズだ。まだフィンらしい形状は保っているが、だいぶ切り詰められた」


「Tウイングは違法になったので、取り付けることはできない。ただ、ずっと低いところにギアボックスウイングを設けた。昨年、この手のものを使ったのは私たちが最初だった。いわばロワTウイングのようなものだ」

ウイリアムズFW41に搭載されている“ロワTウイング”


「これは今年のクルマでも維持した。私の想像では、他のチームの多くが、この部分に同様のウイングを取り付けてくると思う」


「これと近い場所にあった、排気管の直後の小さなウイング、いわゆるモンキーシートウイングも今年は使えない。これについては、多少なりとも排気流を利用しているというのが、禁止された理由だ」

排気流を利用した空力パーツ“モンキーシート”は今年から禁止となる


「2011年から2013年までの、ブローディフューザーの時代を憶えている人は多いだろう。個人的には、なかなかエキサイティングな時期だったと思うが、あの技術は禁止されて、一度は過去のものになった」


「ところが、興味深いことに、それが2017年に復活してきた。発揮する効果は以前よりはるかに小さかったものの、やはり排気流が空力に及ぼす影響は極力減らすという方針から、モンキーシートは禁止されることになった」


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