マンCが今季初タイトル獲得…リーグ杯決勝を5つのポイントで振り返る
2018年2月26日(月)14時13分 サッカーキング
■1:栄冠まで一本道
今シーズンのマンチェスター・Cは、今回の決勝を含めると公式戦で116ゴールをマークしている。しかし、ペップ・グアルディオラ政権に初の栄冠をもたらしたのは、何とも“マンチェスター・Cらしからぬ”ゴールだった。チリ代表GKクラウディオ・ブラボによる単純なロングキックは、アーセナルのドイツ代表DFシュコドラン・ムスタフィの雑な守備にも助けられ、アグエロの足元へ。すると同選手は見事なループシュートで先制ゴールを奪った。その後はマンチェスター・Cが格の違いを見せつけたが、これまでファインゴールの数々を生み出してきたにもかかわらず、グアルディオラの記憶に一生刻まれることになるのは最もシンプルな“一本道”のゴールだった。
■2:ヴェンゲルの日照りが続く
アーセン・ヴェンゲル監督は、リーグ杯との相性が悪いのだろう。またしてもファイナルで涙を飲むことになった。自身3度目のリーグ杯決勝となったが、今回も手ぶらでウェンブリースタジアムを後にした。実はヴェンゲル監督が獲得できていない唯一の国内タイトルがリーグ杯である。今シーズンのアーセナルはこのままの調子だと、プレミアリーグでトップ4入りを逃して無冠に終わることが濃厚となっている。今回の決勝戦は、同監督にとってリーグ杯を制する最後のチャンスになるかもしれない。
■3:コンパニが態度で示す
身体は衰え始めているかもしれない。それでもコンパニは、大一番で起用されると全盛期を彷彿させるパフォーマンスを見せた。同選手の負担を軽減させるグアルディオラ監督の起用法のおかげもあり、チームメイトにインスピレーションを与えるプレーを披露。チームの基盤となってアーセナルを圧倒した。俊足で知られるガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤンをオフ・ザ・ボールの時点で封じて堅守を誇った。そしてチームの2点目となるゴールを奪って、自身の素晴らしいパフォーマンスに花を添えた。
■4:高額品に致命的な欠陥
アーセナルはムスタフィとスイス代表MFグラニト・ジャカの獲得にそれぞれ3500万ポンド(約52億円)も支払ったが、ウェンブリースタジアムでも高い代償を支払うこととなった。ムスタフィは非力なマーキングでアグエロに先制ゴールを許した。一方でジャカは、中盤から飛び出してくるマンチェスター・Cの選手を何度もフリーにさせた。さらに、同選手の取り柄であるはずのパス精度も影を潜め、攻撃のテンポを狂わせてしまった。
■5:ウィルシャーは本気
イングランド代表MFジャック・ウィルシャーは、マンチェスター・UのOBで元アイルランド代表MFのロイ・キーン氏にとっては「恐らく地球上で最も過大評価されている選手」かもしれない。だが、今回のリーグ杯決勝ではピッチ上で存在感を発揮した。何とか反撃を試みようとするアーセナルの心臓部となり、常にボールを要求してチームを活性化させようと必死だった。一方的な展開になっても、ただでは屈しないスピリットを見せた。だからこそ、警戒したブラジル代表MFフェルナンジーニョが必死でウィルシャーを止めにいったのだろう。同選手が2枚目のイエローカードを貰って退場にならなかったのは、マンチェスター・Cにとっては少し幸運だったかもしれない。
(記事/Footmedia)