野球選手として最高の時期を迎えようとしている…高木豊氏が絶賛する巨人の逸材
2025年3月13日(木)5時10分 スポーツ報知
6回無死、吉川尚輝が中前安打を放つ(カメラ・朝田 秀司)
◆オープン戦 ソフトバンク3—4巨人(12日・みずほペイペイドーム)
吉川はもう言うことがない。守りはもちろんのこと、バットも最高の出来。昨年、全試合に出場して自信もつけたし、使ってもらえる安心感があるから、すべてにおいて落ち着いてプレーしている。
1番でも2番でも、どこを任せても大丈夫だが、3番は最高の打順。パンチ力があるから初回の2ランのような長打は打てるし、3回のタイムリーも勝負強さを発揮した。6回には先頭打者としてチャンスメイク。1、2番が出塁した時はバントもOKだし、打っても足があるからゲッツーがない。打線につながりを持たせるマルチな働きが期待できる。
私も同じように二塁を守り3番を打った経験はあるが、巨人という負けられないチームの中で戦う吉川は、私など比べものにならない好選手。そして彼の一番の良さは、活躍しても決しておごることなく、いつもこつこつとひたむきで謙虚なところだ。
昨年の後半も3番に入って成果を出しながら、故障でCSに出られなかった。チームの敗退は吉川がいなかったから、と言っても過言ではない。心身ともに充実し、野球選手として最高の時期を迎えようとしているし、素晴らしい3番打者になる気がする。(スポーツ報知評論家・高木豊)