2008年以来のホンダF1表彰台を絶賛するマルコ博士と、さらに高みを見据えるニューウェイ【レッドブル首脳インタビュー】

2019年3月17日(日)21時5分 AUTOSPORT web

 普段は厳しい表情で、近寄りがたい雰囲気のヘルムート・マルコ博士(レッドブルのモータースポーツコンサルタント)。しかしマックス・フェルスタッペンがF1開幕戦オーストラリアGPでいきなり初表彰台に上がった直後の彼は、上機嫌の固まりだった。


──開幕戦でいきなり、3位表彰台を獲得しました。
マルコ博士:そう。そしてホンダと組んだ最初のレースでね。ホンダはこの週末まったくトラブルフリーで、レースでもスタートからチェッカーまで精確無比の働きをしてくれた。最後はオーバーテイクボタンを効かせてハミルトンを抜くつもりだったが、それはかなわなかった。それだけが、残念だよ。開幕戦を終えて、レースでは十分に戦えることがわかった。しかし予選では、メルセデスに対して大きな差を付けられてしまっている。そこはこれから、一生懸命縮めていかないといけない。


ーホンダに対する信頼は、いっそう強くなりましたか?
マルコ博士:言うまでもないね。この表彰台はホンダにとって、2008年以来の達成だ。そのことを、皆さんはご存知だったかな。その事実はホンダだけでなく、われわれにも大きな喜びだよ。ホンダは信頼性だけでなく、パワー面でも大きく進化している。とはいえまだメルセデスに総合力でかなわないのは事実だし、今後はチーム側が車体面でいっそう向上していかないといけない。


──今日のフェルスタッペンとピエール・ガスリーについてはどうでしたか?
マルコ博士:マックスについては、素晴らしいの一言だね。特に(セバスチャン・)ベッテルを一瞬で抜き去ったあのドライビングには、賞賛しかない。ピエールはチーム側の問題で、あんなグリッドからスタートさせることになってしまった。このサーキットであそこから這い上がるのは、決して簡単なことじゃない。


──表彰台は予想していましたか?
マルコ博士:もちろん。簡単ではないと、思っていたがね。実際、(バルテリ・)ボッタスとの差は、非常に大きい。


──今季の目標として、「5勝」を掲げています。それは今も変わっていませんか?
マルコ博士:当然だ。しかも5勝はあくまで、最低ラインだよ(笑)。


──次戦バーレーンは、レッドブル・ホンダの初優勝が期待できるのでは?
マルコ博士:ここと違って、よりオーソドックスなサーキットだしね。しかもエンジンパワーにも不安はない。最高の結果を期待したいが、今はとにかく1戦1戦ベストを尽くしていくよ。


──バーレーンに行く前に、再び来日の予定はありますか?
マルコ博士:先週、行ったばかりじゃないか。ホンダのエンジニアたちは、何をすべきか自分たちで十分わかっている。われわれが行く必要はないよ(笑)


■エイドリアン・ニューウェイ「いいスタートを切れたことは間違いない」


自らのマシンをじっと見つめるニューウェイ。

 一方、チーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイも、名うてのインタビュー嫌いで知られている(本当は優しい人柄なのだが、とにかくシャイなのだ)。しかもモゴモゴと口ごもるために、何を言っているのか理解できないことが多い。しかし表彰台の下で捕まえたニューウェイは、短いながらも珍しく雄弁に、そして滑舌良く質問に答えてくれた。


──開幕戦表彰台おめでとうございます。
ニューウェイ:ありがとう。


──この結果は、レース前から予想していましたか?
ニューウェイ:表彰台に上がれるんじゃないかと期待していたし、ある程度の手応えはあった。しかしメルセデスは、予想以上に強かったね。


──一方のフェラーリは、ウィンターテストで見せた速さが完全に影を潜めていました。
ニューウェイ:確かにバルセロナの速さは、まったく発揮できてなかった。しかしそれはあくまで、このサーキット特有の現象だった可能性が高い。去年もそうだったしね。


──とはいえレースでは、タイヤに対して非常に負荷が高いマシンという印象でした。
ニューウェイ:そう。レースでは、その傾向はあるかもしれない。


──あなたの作った車体と、ホンダ製パワーユニットのパッケージには、今のところ満足していますか。
ニューウェイ:とんでもない。まだまだだ。完全な満足感を、私はこれまで得たことがない。とはいえ、いいスタートを切れたことは間違いないね。


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