「高見沢クン、やってみなよ!」「おいおい、眉毛は剃るなよ~」女子高生に感化されたTHE ALFEE“知られざる青春時代”【独占インタビュー】
2025年4月29日(火)7時0分 文春オンライン
THE ALFEEの3人が音楽遍歴を語るインタビュー連載「 僕らが愛した音楽 」がスタートした。 昨年のロングインタビュー企画 に続いて、ファン垂涎の秘話が次々に明かされている。その一部を紹介します。
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近所の女子高生たちは音楽的なアンテナが進んでいた——高見沢
高見沢 明治学院高校は3年間クラス替えがなかったから、クラスで固まったグループがそのままそのクラスのカラーになった。俺がいたクラスは、友達とロックバンドやってたからロックな組、桜井がいたクラスは、桜井がいたフォークグループからフォークの組、という感じだった。で、ロックバンドをやっていると、近所の女子高の子たちと結構知り合いになったんですよ。そういう子たちって、音楽的なアンテナが僕らよりもかなり進んでいてね。「ウエスタンカーニバル、行かない?」とか誘われて。「え〜、GS?」、「でも、今ちょっと違うんだよ?」、「そうなの? じゃあ、午後から行っちゃおうか」って。それでウエスタンカーニバルを数人で観たりしてさ。
坂崎 いいねぇ。

高見沢 すると、たしかにその頃のGSはもう昔の王子様的な感じじゃなくて、ヴァニラ・ファッジの『キープ・ミー・ハンギング・オン』とか、クリームの曲とか、海外のロックをやっていて驚かされた。ツェッペリンとかジェフ・ベックなんかは男友達と行ったんだけど、そういう女子高の女の子たちと一緒に行くようなコンサートもあったね。ドノヴァン(※スコットランド出身のシンガーソングライター)もそうだったな。あれも新宿厚生年金(※73年3月20日)。『ラレーニア』とかやって、結構良かったなぁ。
坂崎 その来日公演は、ライブ盤にもなってるもんな。
高見沢 演奏もうまいし、かなりそのサウンドにハマった記憶があるね。
坂崎 ブリティッシュ・フォークの先駆者だからね。そう言えば、俺も(母校の)隅田川高校の2級後輩のロック好きの女の子から、「今度、後楽園球場でエマーソン・レイク・アンド・パーマー(※イギリスのプログレッシブ・ロックバンド)があるんですけど、行きません?」なんて誘われたのに、当時はあまり興味がなかったから断っちゃったんだよ。
「高見沢クン、やってみなよ!」「おいおい、眉毛は剃るなよ〜」
高見沢 俺、それ行ったよ!?(※72年7月22日)
坂崎 前座がフリーだったんだろ?
高見沢 そうそう。ほかにも麻生レミさんとかがジャニス・ジョプリンをカバーしたり、ギターが井上堯之さんだったりと、前座がすごく良かったのを覚えてる。で、女の子は良く曲のこと知っててさ、解説してくれたりしたよ。
坂崎 いつの時代も、何でも女の子のほうがちょっと進んでるんだよな(笑)。
高見沢 クイーンも日本の女子から最初に火が付いたしね。俺が高校の頃にバンドでやっていたT・レックスみたいなグラムロックも、男子より女子が先にハマっていた。で、「高見沢クン、やってみなよ!」とか言ってメイクしてくれるんだよ。「おいおい、眉毛は剃るなよ〜」、「描いとくから!」なんて言われて、それで眉毛を薄くしたりしてさ(笑)。
桜井 その顔を、たまたま一緒になった帰り道に見て、びっくりしたのが俺(笑)。
高見沢 洋服も、ラメのTシャツとか、「これ、似合うから着てみなよ」って作ってくれたりもしたな。学校の周りにネットワークが息づいていた時代だったね。
※本インタビュー全文(約7000文字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(桜井賢×高見沢俊彦×坂崎幸之助「 僕らが愛した音楽 第1回 」)。
■全文では下記の内容をお読みいただけます。
・下宿先のおじさんと武道館に観に行ったレッド・ツェッペリン——桜井
・兄貴と一緒に、デビュー前のザ・タイガースに遭遇——坂崎
・中3で連れていかれた日本ロック・フェスティバル——高見沢
・はっぴいえんどのファーストアルバムはかっこよかった——高見沢
・文化祭で一番モテていた桜井のバンド「コンフィデンス」
(桜井 賢,坂崎 幸之助,高見沢 俊彦/文藝春秋 電子版オリジナル)
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