トヨタ自動車・太田智樹 学生との“競演”に手応え 圧巻区間賞も「学生から学ぶこといっぱい」
2025年3月17日(月)5時10分 スポーツ報知
優勝し胴上げされるトヨタ自動車のアンカー・内田隼太(カメラ・岡野 将大)
◇大阪・関西万博開催記念 ACN EXPO EKIDEN 2025(エキスポ駅伝、16日、大阪・吹田市万博記念公園スタート〜大阪市夢洲周辺ゴール=7区間54・5キロ)
元日の全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)で3位だったトヨタ自動車が1区から首位を譲らず、2時間32分48秒で完全優勝した。エース区間の3区(12・5キロ)でハーフマラソン日本記録(59分27秒)保持者の太田智樹(27)が区間賞の快走で勝負を決めた。2位は富士通。24年度の学生駅伝2冠の国学院大が3位。今年の箱根駅伝を制した青学大は7位だった。(雨、気温10・6度、湿度74%、北東の風1・5メートル=午前9時スタート時)
小雨が降る大阪で、実業団が強さを見せた。トヨタ自動車の最終7区・内田隼太(24)は右手の人さし指でナンバーワンを作り、笑顔でフィニッシュ。エース区間3区で独走状態を築いた太田は「勝ってホッとしている」と、1区から一度も首位を譲らない完勝に充実の表情だった。
1区の吉居大和(23)がラスト400メートルで駒大の伊藤蒼唯(3年)を振り切る執念の区間賞で勢いをつけると、3区でハーフマラソン日本記録保持者の太田が落ち着いた走りで、後続との差をグングン広げ、10キロ換算では27分17秒の爆走。区間2位に47秒差つける区間賞で勝負を決めた。冬にマラソンを走った選手が多く、メンバー編成に苦心しながら、学生と争うレースを制した熊本剛監督は「負けられないプレッシャーの中で選手は頑張った」と胸をなで下ろした。
駅伝シーズンを締めくくったエキスポ駅伝。「勝っても、学生から学ぶことがいっぱいあった。良い経験になった」と、東京世界陸上(9月)が行われるトラックシーズンへも勢いをつけた太田。まず見据えるのは代表選考会の1万メートル日本選手権(4月12日、熊本)。「しっかり休んで、準備していきたい」と異例のレースを制した自信を持って大一番へ臨む。(手島 莉子)