健大高崎の左腕・下重、明徳義塾との投手戦制す…手負いのエース頼らず完投

2025年3月18日(火)23時16分 読売新聞

健大高崎先発の下重(18日)=野口哲司撮影

 第97回選抜高校野球大会は18日、甲子園球場で開会式と1回戦3試合が行われた。連覇を目指す健大高崎(群馬)はタイブレイク方式の延長十回に2点を勝ち越し、下重が完投して明徳義塾(高知)に競り勝った。開幕試合では、二松学舎大付(東京)が柳ヶ浦(大分)の反撃を振り切り、選抜では準優勝した1982年以来43年ぶりの白星を挙げた。花巻東(岩手)は一回に先制した後も得点を重ね、米子松蔭(鳥取)を圧倒した。

健大高崎3—1明徳義塾

 自らの存在意義を示す投球を見せつけた。健大高崎の左腕・下重が、明徳義塾の好投手・池崎との投手戦を制した。

 同点とされた五回、なお二死一、三塁のピンチに、140キロの速球で三振にとり、踏みとどまった。その後も最後まで粘り強く投げ、「抑えられるか不安で怖かった。(最後)抑えたときはすごくほっとした」と目を赤くした。

 チームは前回大会、左の佐藤龍、右の石垣を擁し、初優勝を果たした。その後、夏の全国選手権を前に、佐藤龍は左肘の故障で離脱。下重は甲子園の初戦で先発を託されたが、四回のピンチで石垣にマウンドを譲っていた。「ピンチになっても抑えられる信頼が自分にあれば、早い段階で代えられることはなかった」と悔いが残った。

 今大会は石垣が左脇腹を痛める中、開幕を迎えた。「石垣はあまり状態がよくないので、投げさせたくなかった。自分が崩れなければ、石垣が投げることはない」。今度こそ自分が踏ん張らなければならない試合だった。

 手負いのエースに頼らず、新たなヒーローが誕生する。連覇を目指すチームにとって、単なる1勝以上に価値がある勝利になった。(松本慎平)

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