セバスチャン・ローブが“初”ウイナーに。シルバーストンのラリークロス用トラックの初戦を制す

2018年3月20日(火)10時54分 AUTOSPORT web

 セバスチャン・ローブやアンドレアス・バッケルドらを含む、4名のWorldRX世界ラリークロス選手権レギュラーがワイルドカード枠で参戦したイギリス国内ラリークロス選手権のBRX開幕戦シルバーストンは、そのローブが見事な走りで格の違いを見せつけ新トラックでの初勝利を飾った。


 今季のWorldRXで初開催が予定されている2イベントのうちのひとつとして、これまでのリッデンヒル戦から新たにシルバーストンに開催地が移転することが決まった5月25〜27日のイギリス・ラウンド。


 そのシルバーストン、ストウのインフィールドを中心に建設された新トラックのこけら落としイベントとなったMSAブリティッシュ・ラリークロス・チャンピオンシップの開幕戦に、ワイルドカード枠としてチーム・プジョー-ハンセンからローブとティミー・ハンセンがプジョー208WRXでエントリー。


 さらに、アウディスポーツのワークス格であるチームEKSに移籍し、今季からアウディS1 EKS RXクワトロをドライブするアンドレアス・バッケルドも参戦。そしてGCコンペティションからプロドライブ製のルノー・メガーヌR.S.RXスーパーカーでのWorldRX参戦を表明しているゲラン・シシェリが、先日の公式テストと同様にユーロRXで使用しているG-FORSのルノー・クリオR.S. RXスーパーカーで、こちらも新トラックの走行距離を稼ぐべくエントリーを果たした。


 先週、5年ぶりとなるWRC世界ラリー選手権のグラベルイベントに参戦しリフレッシュを果たした“ナインタイムスWRCチャンピオン”のローブは、予選ヒートから2018年型のワークス・プジョーで好走を見せると、Q3終了時点の総合タイムで堂々の2番手。順当にセミファイナル2のポールポジションを獲得。一方のハンセンとバッケルドも予選通過タイムにより、セミファイナル1のグループ分けで準決勝進出となった。


 そして5月開催のWorldRX“スピードマシーン・フェスティバル”の前哨戦の様相を呈したファイナルは、ポールポジションからスタートしたローブがオープニングラップでジョーカーに飛び込みクリーンな状態で最速ラップを重ね、ハンセン、バッケルドのライバル勢を突き放す展開となり、6ラップ8台のレースを制覇。2位のハンセンに3.295秒の差をつける完勝劇を演じ、WorldRX本戦に向け盤石の予行演習を終えた。


 またBRX勢の最上位として、ミツビシ・ミラージュRXスーパーカーをドライブしたジュリアン・ゴッドフリーが3位表彰台のバッケルドに次ぐ4位に入っている。


 このBRX開幕戦シルバーストンに先立ち、WorldRXは2018年シーズンに向けたエントリーリストの最終版を発表し、12台のフルエントリーに加えて個別枠を含む全15台のリストを公開。WorldRX優勝経験者8名を含む、強力なラインアップが出そろった。

セバスチャン・ローブに加え、WorldRXでチームメイトのティミー・ハンセン(中央)やアンドレアス・バッケルド(左)も参戦
シルバーストンのストウ・エリア・イン側に新設されたラリークロス用のトラック
開幕戦のBRXレギュラー最上位は、ミツビシ・ミラージュRXスーパーカーをドライブしたジュリアン・ゴッドフリーとなった


 パーマネント・エントリーとしては全12戦中10戦の参加義務が発生し、6チームが個別に3名のドライバーまで登録可能。今季は元WRC王者のマーカス・グロンホルムがGRXタネコ・チームとして、既報の通りヒュンダイi20RXスーパーカーを投入するほか、GCコンペティションがプロドライブ製のルノー・メガーヌR.S.RXスーパーカーを走らせる計画を明かしており、全チームが異なる6マニュファクチャラーの参戦が予定されている。 


 2017年王者のヨハン・クリストファーソン擁するPSRXフォルクスワーゲン・チーム・スウェーデンは、2014〜15年王者であるチーム代表のペター・ソルベルグとともに体制を維持。フォルクスワーゲン・モータースポーツ製となる2018年型ポロR RXスーパーカーでタイトル防衛に挑む。


 一方、2016年王者でタイトル奪還を目指すマティアス・エクストローム率いるチームEKSは、今季からチーム名をEKSアウディスポーツに改称。バッケルドをチームメイトに迎え、こちらも大幅な改良が施されたアウディS1 EKS RXクワトロを投入する。


 そしてこちらもプジョースポールのファクトリーチームに指定されたチーム・プジョー-ハンセンは、BRX開幕戦参戦のふたりをレギュラーに据えた。


 それに伴なって、3台目のプジョー208WRXをドライブするケビン・ハンセンはインディビデュアル・エントリーとなり、ドライバーズチャンピオンシップのポイント獲得は可能となるが、チームズチャンピオンシップに該当するポイントは登録外となる。


 この枠にはケビン・ハンセンの他にも2名のエントリーがあり、セバスチャン・ローブ・レーシング(SLR)がオンローク、オレカと独自に共同開発したプジョー208RXスーパーカーをベルギー人のグレゴール・ドゥムースティエがドライブ。


 さらに、ラトビア人のヤニス・ボウムニスのために、チームSTARDがフォード・フィエスタRXスーパーカーEvo.3を提供し、フルエントリーする意向を示している。


 シルバーストンで開催される第4戦スピードマシン・フェスティバルと、第10戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズでの北米戦、初開催2戦を含む2018年シーズンは、4月14〜15日のスペイン・バルセロナ、WorldRXオブ・カタルーニャで幕を明ける。

王者PSRXはヨハン・クリストファーソン、ペター・ソルベルグという鉄壁の布陣
新型アウディS1 EKS RXクワトロを投入のマティアス・エクストロームは王座奪還を狙う
2018年のWorldRXは4月14〜15日のスペイン・バルセロナ、WorldRXオブ・カタルーニャで幕を明ける


■2018年WorldRX世界ラリークロス選手権・パーマネントエントリー


















































































ドライバー国籍チームマシン
ヨハン・クリストファーソンスウェーデンPSRXフォルクスワーゲン・チーム・スウェーデンフォルクスワーゲン・ポロR
ペター・ソルベルグノルウェーPSRXフォルクスワーゲン・チーム・スウェーデンフォルクスワーゲン・ポロR
マティアス・エクストロームスウェーデンチームEKSアウディスポーツアウディS1 EKS RXクワトロ
アンドレアス・バッケルドノルウェーチームEKSアウディスポーツアウディS1 EKS RXクワトロ
セバスチャン・ローブフランスチーム・プジョー・トタルプジョー208WRX
ティミー・ハンセンスウェーデンチーム・プジョー・トタルプジョー208WRX
ケビン・エリクソンスウェーデンオルスバーグMSEフォード・フィエスタRS
ロビン・ラーソンスウェーデンオルスバーグMSEフォード・フィエスタRS
ニクラス・グロンホルムフィンランドGRXタネコ・チームヒュンダイi20RX
ティマー・ティマジャノフロシアGRXタネコ・チームヒュンダイi20RX
ゲラン・シシェリフランスGCコンペティションルノー・メガーヌR.S.
ジェローム・グロセット-ジャニンフランスGCコンペティションルノー・メガーヌR.S.


■2018年WorldRX世界ラリークロス選手権・パーマネント個別エントリー




























ドライバー国籍チームマシン
グレゴール・ドゥムースティエベルギーセバスチャン・ローブ・レーシングプジョー208RX
ケビン・ハンセンスウェーデンチーム・プジョー・トタルプジョー208WRX
ヤニス・ボウムニスラトビアチームSTARDフォード・フィエスタRS Evo.3


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