セブリング優勝のブルデー、終盤のウイングトラブルに対処し辛勝「クラッシュするかと思った」/IMSA

2021年3月21日(日)16時41分 AUTOSPORT web

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦のセブリング12時間レースを制したJDCミラー・モータースポーツ(マスタング・サンプリング・レーシング)のセバスチャン・ブルデーは、レース終盤にリヤウイングのトラブルに見舞われ、クラッシュ寸前であったことを明らかにした。


 トリスタン・ボティエ、ロイック・デュバルとともに5号車キャデラックDPi-V.Rをドライブしたブルデーは、最後のフルコースイエロー解除後の20分でトップに立っていたが、突然のトラブルに見舞われた。ブルデーはこれに対してコクピット内からセッティングをアジャストし、なんとかトップをキープしてフィニッシュしたという。


「クルマの状態はとても良く、すべての物事はコントロールされていると思っていた」とブルデーは語っている。


「でも、残りあと約20分という最後のリスタートの直後、リヤウイングのトップ・エレメントが脱落してしまったんだ」


「クルマの中の自分が、とてもちっぽけに感じた。とても、とても大変だったよ」


「最初は、オイルか何かかなと思ったんだ。でも、背後からはライバルたちが迫ってきていたので、オイルじゃないな、と。


「そこからはどうにか状況を改善するために、前後のアンチロールバー、そしてブレーキバランスを調整し始め、なんとかライバルたちを寄せ付けないようにしたんだ」


「正直なところ、それらの調整でなんとかなるのかは分からなかった。だけど、この組織全体、チームメート、チーム、スポンサー、キャデラック、そして関係者全員をとても誇りに思うし、幸せだよ」


 デュバル、ボティエとのフランス人トリオで優勝の栄誉を共有したブルデーは、劇的な最終2スティントを経て得た結果に「本当にラッキーだった」と語っている。


 スコット・ディクソンがドライブするチップ・ガナッシ・レーシングの01号車キャデラックDPi-V.Rがピットインしようとしていた際に、BMW M8 GTEを接触。これによってトップの座を奪った5号車キャデラックは、最後の31周のうち28周をリードした。


「クルマから降りるまで、それがリヤウイングの問題だとは知らなかったけど、エアロダイナミクス的に何かが起こっていることは分かっていた」とブルデー。


「それが起こった時、クラッシュするんじゃないかと思った。けど、なんとかそれを防いだ。そのあとは『おい、これをどうやって運転したらいいんだ?』と思ったよ」


「逆に、ストレートではとても速くなったんだけどね」


「(周回おくれを)パスするのがとても難しかった。レースの神様が引き起こすことはときとして分からないものだけど、なんとか成し遂げ、受け入れて、先へと進むだけだ」


「それは、僕がこれまで参加したレースで最もありそうにないシナリオのひとつだったけど、勝利を収めることができた」

セブリング12時間レースを制したマスタング・サンプリング5号車キャデラックDPi-V.Rのデュバル/ブルデー/ボティエ


■「今日は僕らの日だった」とボティエ


 リヤウイングのトラブルは、決勝中に5号車が遭遇した多くの事件のうちのひとつに過ぎなかった。


 ボティエは8時間目にピポ・デラーニのアクション・エクスプレス・レーシング31号車キャデラックDPi-V.Rからの接触に耐えて生き残ったが、ターン1のウォールでダイブ・プレーンとノーズにダメージを受けた。


「ドライブしているときは、何が起こったのか、最初は本当に理解ができなかった」とボティエ。


「それから、壁の中で目を覚ましたような感じだった。衝撃がとても強かったので、ちょっと時間がかかった。デイトナでかなり激しくリヤからヒットされたときでさえ、1速ギヤに戻してクラッチを踏んだのにね」


「でも今回は31号車との衝撃も、ウォールとの衝撃もとても強かったので、クルマがまだ機能しているかどうかを確認する必要があると気づくまで、4〜5秒かかった」


「それから、クルマが大丈夫だと気づいたんだ」


「トリッキーなピット出口だった。僕は自分のラインをスピードを上げるために走っていたし、それ以外の何かをすることはできなかった。後ろに目は付いていないからね」


「最終的には、面白いことになった。僕らにはこれまで、ある瞬間まではすべてが順調、というレースがいくつかあり、少しアンラッキーだった」


「今日はいろんなことがありすぎたよ。48号車がロイックの目の前でスピンして接触してきたり、セブがリヤウイングの一部を失ったり……。でも、僕らはなんとかこれを成し遂げた。今日は“僕らの日”だったね」

2021年のセブリング12時間レースを制したマスタング・サンプリングのキャデラックDPi-V.R

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