水原元通訳が告白したギャンブル依存症の恐怖とは? 元サッカー英代表ルーニーも苦しんだ“抜けられない沼”

2024年3月22日(金)16時49分 ココカラネクスト

一大スキャンダルで世間を騒然とさせた水原氏(左)。彼が明かした「ギャンブル依存症」については、サッカー界のスター、ルーニー氏(右)も告白していた。(C)Getty Images

 まさに世界を駆け巡った一大スキャンダルは、ファンや関係者たちを愕然とさせた。大谷翔平(ドジャース)の専属通訳を務めていた水原一平氏が違法賭博に関与していた疑いなどで球団から解雇された問題だ。

 情報はやや錯そうしている感はあるが、米スポーツ専門局『ESPN』によれば、米連邦捜査局(FBI)の捜査により、大谷の口座から違法ブックメーカーへ少なくとも450万ドル(約6億8000万円)の電子送金があったと判明。その後の同局の取材に応じた水原氏が、自らがギャンブル依存症であると激白。事態を把握した大谷の弁護士から告発され、ドジャースも即刻解雇を通知した。

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 他でもない大谷も今回の一件を把握していなかったという。詳報を伝えている『ESPN』によれば、3月20日に韓国・ソウルで行われたパドレスとの開幕戦後のロッカールームで水原氏がナインに事態を明かし、自身の口座を利用されていたと知った際には、「様子が明らかにおかしくなった」ようだ。

 では、ギャンブル依存症とは何か。水原氏が『ESPN』の取材に対して、「自分はギャンブルが苦手で、一度も勝ったことがなかった。沼にはまってしまって、負債をカバーするためにより大きな金額を賭けて、負け続けた」と明かしているように、快楽物質と言われるドーパミンが刺激的なギャンブルによる期待感などでより活発化。それによって依存が生じるとされている。

 世界保健機関(WHO)の国際疾病分類でも「病的賭博」として認知されている「ギャンブル依存症」は、実は世界の著名人でも陥った過去を持つ人は少なくない。元イングランド代表FWで、名門マンチェスター・ユナイテッドのクラブ最多得点記録(253)を持つウェイン・ルーニー氏もその一人だ。

 昨年1月に英オンラインカジノ『32Red』のキャンペーン動画に出演したルーニー氏も、自らがギャンブル依存症を患っていたと告白。そして、「当時の自分は、大金を手にしたばかりの若造だった」と語り出し、その恐ろしさを訴えている。

「マンチェスター・ユナイテッドではアウェー戦の度にホテルに泊まる。そして、イングランド代表ではホテルに7日から10日間滞在する。そうすると、退屈するので暇つぶしをしようと考える。その一つがギャンブルだったんだ。

 携帯電話で簡単に賭けることができた。だから本当のお金ではないような感覚だった。ブックメーカーに足を運び、限度額まで賭けるという感じではなかったからね。気づけば、知らぬ間にかなりの額を失っていた。最初は勝っていたし、『俺でも簡単に稼げる』と思っていた。でも、のめり込むようになってからは負け始めて、借金生活となった」

 複数の米メディアの報道で、カリフォルニア州で違法賭博の元締めをしているマシュー・ボウヤー氏と出会い、それがキッカケでのめりこんだという水原氏とは一概に比較はできない。それでも「失った金額を取り戻そうとして、どんどん賭けるようになった」(ルーニー氏談)という点は共通するギャンブル依存症の怖さと言えよう。

 水原氏を巡る騒動に対するハレーションは当分収まりそうにない。そうしたなかで、ギャンブル依存症に対する認知が広まることを願いたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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