傷ついた大谷ブランド MLBも調査を開始 水原通訳解雇問題で周囲が危惧する「最悪のシナリオ」とは

2024年3月23日(土)11時29分 ココカラネクスト

水原氏と大谷との親密な間柄は知られていた(C)Getty Images

 ドジャース・大谷翔平の専属通訳、水原一平氏が違法賭博に関与した疑いで球団から解雇された問題は時を追うごとに様々な情報が出てきている。

 メジャーリーグ機構(MLB)は3月22日(日本時間23日)、大谷翔平の元通訳で、違法賭博に関与した疑いでドジャースから契約解除された水原一平氏について、同日より調査のための正式な手続きを開始したと発表した。すでに大谷側は水原氏が「窃盗」を行ったと主張、当局に捜査をゆだねているとされた。

【関連記事】「ギリギリの生活だった」水原元通訳の新証言 米ESPNで大谷翔平に肩代わりを求めた理由を告白「翔平を見るのは辛かった」

 今回の問題は米メディア『LAタイムズ』、米スポーツ専門局『ESPN』(電子版)などが大谷の通訳を務めていた水原氏が違法賭博に関与した疑いがあり、大谷の口座から450万ドル(約6億8000万円)を送金したと報じたことが発端。

 水原氏は20日に韓国・ソウルで行われたパドレスとの開幕後のクラブハウスでナイン、関係者の前で打ち明け、謝罪したという。

 すでに今回の違法賭博疑惑をめぐっては日本の国税庁にあたる米内国歳入庁(IRS)が水原氏を犯罪捜査の対象としていると伝えている。

 そして今回の騒動ではここまで完璧とされた大谷ブランドに関してもイメージ低下が免れないと見られている。すでに影響も出始めている。大谷を支える水原氏の活躍を伝える記載があった教科書がすでに文科省の検定合格も受けていたが、今回の事態を受けて急遽差し替えなどの対応が迫られる事態となっている。

 出版界でも今回のドジャース移籍、新たな門出を受けて今春は多くの「大谷本」が出版されていた。大谷の日本ハム時代からの番記者が密着したもの、これまでの活躍を追った絵本、さらに恩師である栗山英樹氏の新刊本、英会話本など様々な大谷関連本が出版され、一大大谷フィーバーが期待されていたが、今回のスキャンダルで水を差されたのは否めない。

 今やスポンサー、CM契約に関しても大谷をめぐっては銀行、寝具、航空、時計、化粧品など様々な日本のナショナルブランドといわれるトップ企業が契約を結ぶとあって、大谷に今回の騒動がどう影響を及ぼすか注視しているとされる。

 そして周囲が危惧するのは、大谷自身の関与だろう。現在米国メディアでは解雇された水原氏が大谷の銀行口座からブックメーカー(賭け業者)に対する送金がどのように行われたかに注目が高まっている。

 今回の事態を大谷は水谷氏が告白するまで全く知らなかったとする報道も出ているが、ではどのようにして、水原氏が大谷自身の口座を扱う立場にあったのか、真相究明が待たれている。

 水原氏は当初、19日(現地時間)に行われた『ESPN』の取材に対し、賭博で作った借金の肩代わりを大谷に頼み、選手自身がパソコンを操作して送金したと語っていた。仮にこれが事実であれば、大谷も違法賭博を認識して、債権回収を手伝ったとして罪に問われる可能性も浮上している。

 しかし水原氏は翌20日にこれらの発言を「嘘をついていた」と撤回。借金について大谷が知ることはなく、賭博に関わっていたことは一切ないとした。

 メジャーリーグでは選手などが違法なブックメーカーのために働いた場合、厳正な処分がされる規則が設けられている。

 今回の事態に関しては、MLBの調査部門も着手することになったことで完全に潔白なのかの証明を大谷側が求められる可能性も出てきた。華々しくデビューした「ドジャース・大谷」の選手生命に何らかの影響を及ぼすことは最悪のシナリオだろう。

 韓国で行われたオープニングゲーム、大谷は「2番・DH」で出場し、あわやホームランかと思われる特大飛球、初安打、初盗塁を記録するなど変わらぬ躍動した姿を見せていた。ただ今や日米をゆるがすビッグスキャンダルとなった今回の事態を受け、無風では終わりそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ココカラネクスト

「通訳」をもっと詳しく

「通訳」のニュース

「通訳」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ