【西武】野球で泣いたのは1回だけ「歓喜の涙を流せるかな」西口文也監督…インタビュー

2025年3月27日(木)7時0分 スポーツ報知

開幕を前に意気込みを見せる西口文也監督(カメラ・池内 雅彦)

 就任1年目の西武・西口文也監督(52)が開幕前の26日、スポーツ報知のインタビューに応じ、球団ワーストの49勝91敗3分けの最下位からの逆襲へ意気込みを語った。現役時代の飄々(ひょうひょう)としたマウンド姿とはかけ離れた監督業への熱い思いを胸に、野球人生2度目となる涙を想像した。(取材・構成=大中 彩未)

 就任会見から約半年。あとは開幕を待つばかりだ。

 「ここまでは、何のプレッシャーもなくやれてます。これから大変かなという風には思いますけども」

 オープン戦は2位。チーム防御率は12球団唯一の1点台となる1・96。チーム打率は、同2位の2割6分9厘。昨シーズンは打率2割1分2厘、334打点ともに12球団ワーストだっただけに一定の手応えも感じている。

 「もう少しチャンスであと1本が出て欲しいところあるけども、それなりに得点は取れている。レギュラー白紙って言った中、必死に取りに行くっていう思いでやってくれてるなっていうのは思いますけど、もっとそういう姿をどんどん見せてほしい」

 監督就任まで、想像していなかった野球人生を歩んできた。きっかけは周囲が敷いてくれたレールだったが、結果で道を切り開いてきた。

 「(和歌山)商業高校を選んだのは卒業して就職しようと思ったから。高校に入って野球はやめようと思ってけど親にやれって言われて。(立正)大学もいけって言われたからね。高校の監督に」

 182勝を挙げ15年に現役引退。その後は投手コーチなどを歴任し22年から2軍監督を務めた。現役時代は「淡々」「飄々(ひょうひょう)」とした姿が印象的だったが「監督業」には秘めた思いがあった。

 「現役でやっていくうちに最後の方は、もしそういうチャンスがあれば一度はやってみたいなっていう思いはあった。2軍監督を3年して、思いが強くなってきた。より一層ね」

 全ての責任を負う監督業。勝てば栄光をつかめるが、負ければたたかれる。就任を躊躇(ちゅうちょ)する人も多いが西口監督は違った。周囲の後押しで野球を続けてきた男の勝負師としての血が騒いだ。

 「1軍はやっぱり勝つか、負けるか。勝たなきゃいけないところなんで。そういうところでやってみたいなって」

 自他共に認める負けず嫌い。若い頃はゲームで負けるのも嫌だった。もちろん目指すはリーグ制覇だ。

 「負けず嫌いなところはあります。負けて面白いことは何もない。やるからにはやっぱり勝たないと面白くない。目指すべきところは、常に毎年優勝でいい」

 

だからこそ、背番号「13」を引き継ぎ、目をかけてきた高橋光成の昨季0勝には、厳しい言葉を投げかけた。

 「去年、勝てなかったのは光成のせいっていうのもある。抑えるべきところでしっかり抑えてれば0勝で終わることはない。本人が一番分かってると思う。ポイントでしっかり抑えていければ勝ちっておのずとついてくる。十分貯金はしていける」

 理想の監督像も、期待の選手名もあえて挙げない。西口流を貫く。

 「自分は自分らしくいきたい。自分の思った通りにゲームを進めていきたいなというふうには考えています。常に全員の選手に期待しております。やっぱり、1人2人じゃ話にならないんでね。全員が本当に力を出し切って頑張ってくれないと上は目指せないと思う」

 野球生活で泣いたのは立正大3年時に4年生を送り出した時の一度のみ。高校野球、プロ初勝利、優勝も、引退でも涙を流さなかった。

 「大学3年の時、先輩を送り出す会があって。その時、今までずっとやってきた先輩たちともう野球が一緒にできなくなるっていう思いがあったんで。野球で泣いたの多分それだけよ、1回きりじゃない?」

 監督として優勝を成し遂げたらわからない。最近はテレビのドキュメント番組を見て涙がこぼれることもあるという52歳。2軍監督時代から成長を見届けてきた選手も多い。

 「歓喜の涙を流せるかな。そういう状況になってくれたらうれしいな」

スポーツ報知

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