【センバツ】あす準決勝 昨秋関東大会決勝の再戦・健大高崎-横浜 打線がカギ握る智弁和歌山-浦和実
2025年3月27日(木)20時46分 スポーツニッポン
第97回選抜高校野球大会は28日、甲子園で準決勝2試合が行われる。第1試合は健大高崎(群馬)—横浜(神奈川)、第2試合は智辯和歌山−浦和実(埼玉)がそれぞれ対戦する。
健大高崎−横浜は昨秋関東大会決勝カードの再現となった。
同決勝では、3—3で迎えた延長10回タイブレークで横浜・奥村凌大が石垣元気からこの試合2安打目となる右前打を放ってサヨナラ勝ち。横浜はその勢いで明治神宮大会も制した。
健大高崎が6安打、横浜が7安打と、最後の1本で勝敗が決するまでまったくの互角だった。投手陣を見ると、横浜は織田翔希が6回1/3を5安打3失点、片山大輔が2/3回を無失点、奥村頼人が3回無失点。
健大高崎は石垣元気が6回2/3を3失点、下重賢慎が2回1/3を無失点、タイブレークに入ってマウンドに戻った石垣元気が1/3回を1失点。両チームの投手陣の中で、下重が横浜の打者7人に対して無安打無四球で2三振と完ぺきに抑えているのが際立つ。
下重は今大会、直前のエース・石垣のケガもあり、1、2回戦に先発。明徳義塾、敦賀気比と秋の地区王者を相手に18回2/3で防御率1・45と素晴らしい安定感を見せている。花巻東との準々決勝は“回避”し、肩を休ませた万全の状態で準決勝の先発が予想できる。
逆に今大会の1試合平均5・7得点の横浜打線が下重を攻略すれば、石垣を秋に攻略しているだけに勝機が見えてくる。
第2位試合は初出場ながら4強に進出した浦和実(埼玉)の勢いがどこまで続くか。ここまで旋風を巻き起こしているのは、注目の変則左腕・石戸颯汰投手(3年)の存在もあるが、勝負強い打線の力も大きい。
1回戦の滋賀学園戦は5安打3得点、2回戦の東海大札幌戦が10安打8得点、準々決勝の聖光学院戦が19安打12得点。準々決勝はタイブレークに入って8得点の新記録も樹立した。
浦和実は昨秋の埼玉県大会決勝・西武台戦でも17安打9得点と大きな舞台になるほど打線が活発になる。
ここまでセンバツ3試合のチーム打率は.318。智弁和歌山が.370と高いが、打点数は浦和実が「22」で智弁和歌山の「19」を上回るなど勝負強さを見せている。
ただ、智弁和歌山には3試合に先発して防御率0.43の絶対的右腕・渡辺颯人投手(3年)がいる。
智弁和歌山打線が石戸から「何点奪えるか」より、渡辺が浦和実打線を「何点に抑えるか」が勝負を分けそうだ。