トヨタの安全技術説明&試乗会に潜入。「あっ、危ない!」を未然に防ぐ最新技術を体験

2025年3月28日(金)13時29分 AUTOSPORT web


 東京23区内でも降雪が観測された3月19日、都内某所にてトヨタがメディア向け安全技術説明会を開催した。


 今回の技術説明会では、トヨタの安全技術への取り組みを振り返るとともに、屋外の特設エリアを使用した最新の安全技術搭載車の試乗体験会を実施。その様子をレポートします。




雪が降るなか安全技術搭載車の試乗体験会が都内で行われた

 はじめに行なわれた技術説明会では、トヨタの安全技術全般の責任者を務める御沓悟司氏(クルマ開発センター フェロー)をプレゼンターに迎え、これまでの交通事故の歴史とトヨタの安全技術の変遷・最新の取り組みについて解説いただきました。


 トヨタでは、1995年よりクラッシャブルゾーンや環状構造といった衝突安全ボディ“GOA(Global Outstanding Assessment)”の開発をスタート。“TSS(Toyota Safety Sense)”など現在まで続くトヨタの安全技術開発に対する基盤が今からちょうど30年前に築かれたと言えるのではないでしょうか。



御沓悟司氏(クルマ開発センター フェロー)をプレゼンターに迎えて行われた技術説明会

 これまで、自動車の保有台数が増えるとともに1960〜70年代の“第一次交通戦争”や1980〜90年代の“第二次交通戦争”という死亡交通事故の急増に直面してきた日本国内。この問題に対し、インフラ整備や自動車メーカーの安全技術の進化によって、現在では死亡交通事故の発生件数は第一次交通戦争時代の約6分の1程度まで抑えられています。


 しかし、一方で増加傾向にあるのが“歩行者”との事故。1995年と比較し、その発生件数は7.4%上昇しているようでした。衝撃吸収構造を備えたバンパーやボンネットの開発といった事故発生時の車体側での開発はもちろん、“事故を未然に防ぐ技術”が求められていると言えそうです。



交通事故死者数の推移


歩行者を守るための車両側の開発

■難コンディションでもスムーズに


 続く試乗会では、そのような先進の運転支援技術を体験。今回はプラスサポート、パーキングサポートブレーキ、アドバンストパークという3つのサポートをご用意いただきました。


 まず、『トヨタbZ4X』に搭乗して体感できたのが“プラスサポート(急アクセル時加速抑制)”。



試乗車のトヨタbZ4X


プラスサポート(急アクセル時加速抑制)

 2秒以上のクリープ状態(30km/h以下)から急発進しようとするなど、特定の条件からアクセルの踏み間違いと判断されると警告と合わせてセーフティモードに。徐々に加速した場合はしっかりとシステムが区別し、通常どおりに加速することができました。


 なお、専用のスマートキーでクルマのロックを解錠することで、プラスサポートが利用できるようになるそうです。


 続いて、昨今ニュースでも度々目にすることも多い駐車場などでの“踏み間違い”事故の防止に有効な“パーキングサポートブレーキ”。壁に見立てた前方の障害物を検知し、衝突前にこちらも警告と合わせてセーフティモードに。運転経験の少ない若者から、状況の認識から反射までの時間がかかりやすい高齢の方まで幅広い世代の衝突安全に貢献するのではないかと感じました。



パーキングサポートブレーキ

 最後に体験できたのが“アドバンストパーク(高度駐車支援)”。試乗したのは、最新の『アルファード』と大柄な車体。


 当日はセンサーなどに悪影響を及ぼしかねない降雪も重なった難コンディションでしたが、そんな心配をよそにハンドルを切り返しながらスムーズな自動駐車して見せます。こちらのシステムはオプション装備となるそうで今後、順次標準装備となることを心待ちにしたいです。


 警察庁の統計(19年)によると、速度別交通事故死者分布では意外にも低速域で29%におよび、体験した3つの衝突安全システムはそのようなシチュエーションに有効であると言えるのではないでしょうか。


 将来的には人間の認知・判断技術のサポートに加え、行動予測やAI(人工知能)などを用いたインフラ協調の発展を目指すというトヨタ。現在の若者世代がおじさん世代になった時、クルマは一体どのような姿になっているのだろうと想像が膨らみます。



アドバンストパーク(高度駐車支援)


アドバンストパーク(高度駐車支援)

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