【筑後鷹】育成6位、25歳オールドルーキーの川口冬弥「目指すべき姿を決めて」心構えを大事に

2025年4月1日(火)6時0分 スポーツニッポン

 ソフトバンクの育成6位、川口冬弥投手(25)は最速155キロの直球とフォークが武器で甘いマスクでも注目を集めている。城西国際大、クラブチームのハナマウイ、独立リーグの徳島を経て入団した遅咲きの右腕。大関からプロでの心構えを説かれ、胸に響いたという。同じような境遇からプロを目指す選手に希望を与える活躍を目指す。

 25歳のオールドルーキーはさわやかなマスクに注目が集まり、宮崎の春季キャンプではファンの黄色い歓声を浴びていた。「応援されることなんてなかったので」。川口は頭をかいて照れながら投球でもファンを沸かせると心に誓っている。

 これまでの野球人生は平坦な道のりではなかった。東京・東海大菅生では3年夏に甲子園で4強入りしたが、自身は3年間で一度もベンチ入りできなかった。城西国際大では右肘の故障に苦しみ、リーグ戦で初めてベンチ入りしたのは4年の春だった。進路に迷っていたある日、初動負荷のトレーニング施設で運命的な出会いがあった。

 鏡の前でシャドー投球をしている人のことが気になって声をかけた。それがクラブチームのハナマウイで投手コーチを務めている中山慎太郎氏だった。自身の投球動画を見てもらい「セレクション(練習会)を受けてみる?」と話が進んで入団が決まった。「大学でやっと試合に出られるような自分がプロに行く逆転劇を見せる」と覚悟して入った。

 ハナマウイは東京に本社があるデイサービスの会社。高齢者の送迎から始まり、施設内の歩行介助、レストランでの配膳、体操の先生などの業務を担った。野球の練習は週2日しかなかったが「環境のせいには絶対にしない」と時間を見つけてはトレーニングにいそしんだ。プロの2軍ともオープン戦ができる環境は刺激的だったという。エースとして活躍し、NPB球団から調査書が届く選手に成長できたが「最後にもう一度挑戦したい」と退社を決意する。

 自ら売り込みの電話をかけ入団した独立リーグの徳島では最速155キロの直球とフォークを武器に先発、抑えとフル回転して1年で夢をつかんだ。今春の宮崎キャンプでは先輩と積極的に交流してヒントを得た。大関にはスポーツ心理学の本を薦められ、読破して感想を伝えた。19年の育成ドラフト入団から1軍で先発ローテーションを担う投手に成長した左腕からは「ほかの選手と比較するのではなく、自分の目指すべき姿を決めて課題をクリアすることが大事だよ」と心構えを説かれた。

 3月の2軍戦で公式戦初登板し、中継ぎで1回無失点と上々のデビューを飾った。アマ時代の自分と同じような境遇の選手に「希望を与えられたら」と使命感を持って腕を振る。  (杉浦 友樹)

 ◇川口 冬弥(かわぐち・とうや)1999年(平11)10月26日生まれ、奈良県出身の25歳。東京・東海大菅生ではベンチ入りできず。城西国際大から社会人野球のハナマウイ、独立リーグの徳島でプレーし、24年育成ドラフト6位でソフトバンクに入団。背番号132。1メートル87、88キロ。右投げ右打ち。

スポーツニッポン

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