「ベンチと勝負するんじゃなく…」開幕3試合で無安打 巨人・坂本勇人に球界OBから指摘される「復活の方法」
2023年4月3日(月)11時30分 ココカラネクスト
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巨人は2日の中日戦(東京ドーム)に3−2と勝利。同点で迎えた8回に丸佳浩の決勝ホームランが飛び出し、9回は抑えの大勢が締め、開幕カードの勝ち越しを決めた。一方、坂本勇人の状態が心配されている。
オープン戦は打率・111、22打席連続無安打など本塁打0で終了。不振のまま終わったことで開幕カードとなる中日戦での内容が注目されていたが、開幕3試合で未だ無安打となっている。
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心配されているのは内容の悪さにもある。「6番・遊撃」で先発出場した2日の試合では、2回の第1打席で空振り三振、5回には二ゴロ併殺、8回の右飛といずれも外角球で仕留められている。相手バッテリーも踏み込んでこないと見ているのか積極的に外角を攻めていたが、同じようなやられ方となった。
一方、7回無死一、二塁で回ってきた打席では初球に送りバントを決めた。2年ぶりとなる坂本の送りバントに球場もどよめく中、しっかり決めて、その後の長野久義の適時打につなげた。
原監督は試合後、坂本のバントについて当たり前の策としながら、1球でしっかり決めた坂本には「流れを出してくれましたね」と話した。
すでに2000本安打も達成、球界屈指のスラッガーでもある坂本の不振に関しては球界内からも様々な考察の声が出ている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者の高木豊氏は開幕前に更新した自身のユーチューブチャンネルで現在の坂本の状態について言及している。
高木氏が坂本の復活のポイントについてまず挙げたのは「遠くに飛ばすことではなく打つこと、バットの芯に当てること」だとした。坂本は昨年、レギュラー獲得以来、キャリアワーストの成績に落ち込んだ。自身も飛ばす力が落ちていることを自覚し、キャンプ中から強い打球、飛ばすことを意識して取り組んできたが結果には結びついていない。こういった点も踏まえ、「飛ばそうとするからぶれるし、気持ちも乗らない」とした上で、次のファクターとして目を向けたのはメンタル面だった。
スポーツ競技を行う上で「気持ちの部分はすごく大きい」とした高木氏は、坂本が若くして2000本安打も達成など輝かしいキャリアを認めながら「打てないわけはない。あとは気を出すだけ」と話した。
続けて、「誰と勝負しているのか」として、「叱咤激励して復活を待つベンチと勝負しているのか」と打てないことでベンチの首脳陣を気にかけるよりも、対戦投手としっかり向き合うことが大事と話した。
さらに高木氏は自身の現役晩年時代を振り返りながら坂本に対しても「プライドが邪魔、プライドを捨てたらいい。あの出始めの頃の純粋な気持ちで野球をやってごらん」と球界の先輩としてアドバイスを送る場面も。
この日の試合で注目を集めたのは、7回に坂本が送りバントを決めた後に長野の適時打が飛び出した後の坂本の表情にもあった。長野は一塁上で拳を突き上げ、ベンチではガッツポーズでとびっきりの笑顔を見せる坂本がいた。2012年に共に最多安打を分け合った仲間の絆は生きている。復活を誰もが願っている。ここでくじけている場合ではない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]