【桜花賞】前2走は“不運”に泣いたファンタジーS覇者…能力発揮できれば一発あるぞ
2025年4月7日(月)6時0分 スポーツ報知
ここ2戦は不完全燃焼のダンツエラン
◆第85回桜花賞・G1(4月13日、阪神・芝1600メートル)
春のG1シリーズ第3戦、第85回桜花賞は13日、阪神競馬場の芝1600メートルで行われる。1週間にわたりレースや出走馬などを掘り下げる「考察」は山本理貴記者が担当する。プロローグ編ではファンタジーS覇者のダンツエランに注目。阪神JF、報知杯FRの敗戦はスムーズさを欠いたもので、混戦の今年は力を出し切ればチャンス十分とみた。
昨年11月のマイルCS以来、2度目の考察担当になる。前回の本命ソウルラッシュは1着になったが、痛恨の2着抜け。各馬の状態や相手関係をしっかりと把握し、今度こその思い。▲—◎で馬単が的中した大阪杯に続きたい。
今年の牝馬3冠初戦は混戦模様とみている。2歳女王のアルマヴェローチェが中心となることは間違いないが、フェアリーSの覇者のエリカエクスプレス、クイーンCを制したエンブロイダリーはともにレースレコードを更新する圧巻の勝ちっぷり。この2頭も主役候補だ。
昨夏から中央競馬担当に配属され、阪神JFは初めてG1のメイン取材担当。準備を重ね、当週も精力的に駆け回った。レース当日の京都競馬場は、10Rまでの芝3鞍で、4角を4番手以内で回った馬が3着内を独占する逃げ、先行有利の馬場傾向。そのトラックバイアスのなか、大外から差し切ったアルマの強さは本物だ。だが、阪神JF組にもう一頭、気になる存在がいる。ダンツエランだ。
昨秋のファンタジーSで、極悪馬場を力強く伸びて重賞初制覇を飾った。戦前から陣営の評価が高く、本田調教師が「馬っぷりがいいし、バネがあって体もある。牝馬としては言うことがない」と素質を絶賛。主戦の団野騎手も「操縦性が高くて、どんな競馬もしようと思えばできる」とセンスの高さを認めていた。加えて追い切りの動きも抜群で、自信を持って2歳女王決定戦の本命に推した。
しかし、本番ではスタート直後に他馬にぶつけられる不利が響き、17着に大敗。リベンジを期して挑んだ前走の報知杯FRは直線で馬群に包まれ、追い出しが遅れたことが影響して6着に終わった。近2戦は能力を十分に発揮できていない印象だ。
1週前追い切りの後にトレーナーに話を聞いたが、「馬に関しては、変わらず鞍上の指示に素直で、スピード、体もある。言うことないよ」と信頼は揺るがない。この馬の競馬ができれば、混戦で一発を見舞うポテンシャルはあるはずだ。(山本 理貴)