もう止まらない「高校野球7回制」への流れ 酷暑対策に打つ手なし

2025年4月9日(水)16時0分 ココカラネクスト

センバツは横浜高が制覇。果たして夏はどうなるか(C)産経新聞社

「高校野球7回制」への流れは、もう止めることができないのでしょうか。

 横浜高校の19年ぶり優勝で幕を閉じた今春のセンバツ高校野球大会。ネット裏の関係者の間では、「7回制の導入は時間の問題だ」との噂でもちきりでした。

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 アマチュア野球に詳しいスポーツライターは言います。

「高校野球の7回制はすでに、今秋の国民スポーツ大会から導入することが決まっています。高校野球を“教育の一環”とする以上、夏の甲子園で選手たちの健康を害するようなことがあってはならないというのが、高野連や主催する朝日新聞社の基本的な考え方だと聞いています。リベラルな論調でインテリ層の読者に愛される朝日が主催する行事で、熱中症で何人もがバタバタと倒れていくことは看過できないのでしょう」

「地球温暖化はさらに進行することがあったとしても、涼しくなることは考えにくい。現場からの反対の声はもちろん、運営側に届いていますが、誰も好き好んで9イニングから7イニングにするわけではない。夏の甲子園大会存続へ、やむにやまれぬ苦渋の決断だということです」

 主催者のそんな思いが形に表れたことも、関係者の間では話題になりました。

 3月16日、朝日新聞デジタルに侍ジャパントップチーム前監督・栗山英樹さんのインタビューが掲載されたのです。そのタイトルは「高校野球の7回制『否定しない』 命を守り次世代育成を」というもの。この中で栗山さんは「ルールは変わっていくものです」と野球が大好きな立場から、野球を守るためにも変更は致し方ないと持論を展開しています。

「非常にロジカルで、なおも熱い、読み応えのあるインタビューでした。読んだ人のほとんどは『栗山さんがそこまで思うのだから、ルール変更はやむを得ないよな』と考えることでしょう。外野は『冷房の効いたドーム球場でやればいい』と言いますが、選手の思いが『甲子園でやることに意義がある』である以上、甲子園を舞台に持続可能な大会運営を考えなくてはならない。『7回制』導入へ、徐々に外堀は埋まったと考えるべきです」(前述のスポーツライター)

“高校野球のかたち”は他競技と同様に、時代とともに変わっていくもの。高校野球ファンも、7回制導入の時が近い将来に訪れるという、心の準備が必要かもしれません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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