元浦和学院監督・森士氏が語る横浜が名門たる理由「高校野球はまだ捨てたもんじゃない」
2025年4月23日(水)22時57分 スポーツニッポン
元浦和学院(埼玉)監督の森士氏(60)が元ヤクルトスカウト編成部長の松井優典氏(74)をゲストにYouTube「森士チャンネル」を更新。センバツで19年ぶり4度目の優勝を飾った横浜(神奈川)の伝統の人間力を称えた。
浦和学院監督時代は横浜に挑み続けた。その中で、横浜の本当の凄さを見せつけられてきたという。
森氏は2つのエピソードを明かした。
渡辺元智前監督の勇退パーティーの壇上で、メジャー挑戦中だった筒香嘉智がスピーチした。
筒香は乾杯を終えると、森氏のところに挨拶に来た。2009年のアジア選手権で高校日本代表の監督と主将の間柄だったが、それ以降のつながりはない。その後スーパースターになったにも関わらず、礼を尽くす姿勢に感心したという。
もうひとつは涌井秀章。プライベートで訪れたハワイのゴルフ場で、「森監督ですよね?」とわざわざ挨拶に来てくれた。個人的な面識はない。対戦したチームの監督というだけでプロになっても挨拶を怠らない姿に横浜高の洗練された人間教育を見たという。
それは渡辺前監督、小倉清一郎部長の思いで、村田浩明監督が受け継ぎ、今の選手たちに浸透している。
センバツ準決勝の健大高崎(群馬)戦で好投手・石垣に対してプライドを持ちつつバットを短く持って対策してきた横浜ナインの姿が印象的だったという。
森氏は「楽しければいい、厳しいことを言いづらい環境になっているが、伝えたいことは今も昔も同じ。打ったり投げたりだけではなく、人間関係の礼儀、マナー。人として育ってもらいたい」と主張した。
そして、「今の横浜はその伝統を引き継いで、しかも勝っている。高校野球はまだ捨てたもんじゃない」と称えた。