今季もMLBは投高打低?現時点のリーグ全体の打率.239は68年の史上最低をわずかに上回るだけ
2025年4月8日(火)8時20分 スポーツニッポン
A今季もMLBは投高打低の傾向があるとAP通信が報じた。シーズン最初の1週間を終えた時点でのリーグ全体の打率は.239で、2024年の同時期の.240からわずかに下がった。
例年、天候が暖かくなるにつれて打率は上昇する傾向にあるが、昨年はあまり上がらず、最終的な打率は.243。これは1871年にプロ野球リーグが始まって以来、打率が低かった年の中で8番目にあたる。今年の現時点での打率は、1968年の「投手の年」に記録された史上最低の.237をわずかに上回るに過ぎない。
打者と投手の対決では、「アナリティクス時代」において投手側が優位に立っている。「スカウティングレポートもデータも増えていて、彼ら(投手)は僕たちに何を投げればいいか、より把握している」とブルージェイズのボー・ビシェット内野手。左打者の打率は昨年の同時期の.241から今年は.247に微増した。一方で、右打者の打率は.239から.232に低下。プレー当たりの本塁打率は4.0%から4.5%に上昇した。
盗塁数は顕著に増加。1試合あたりの盗塁数は1.3から1.7に増え、成功率も76.4%から79.3%に上がっている。投手陣は、シーズンの進行に伴って肩が温まってきたところ。直球の平均球速は94.1マイル(約151.4キロ)。昨年の同時期は93.9マイルで、シーズン最終的には記録更新となる94.3マイルまで上がった。
MLBが球速を記録し始めた当初は、平均球速は91.9マイルだった。「僕がメジャーに来た頃、先発ローテーションの3番手や4番手はだいたい88〜92マイルぐらいだった」と語るのは、2010年にデビューしたヤンキースのジャンカルロ・スタントン。「当時は1地区に1人、100マイル(約160キロ)投げる投手がいれば珍しかった。それが1チームに1人、2人、3人と増えていった」。
アリゾナ・ダイヤモンドバックスの監督トーリ・ロブロも、自軍および相手チームのブルペンの層の厚さを実感している。「12〜15年前の目安は90マイル超えだったと思う。でも今じゃブルペンから出てくる投手はみんな95マイル以上を投げてくるよ」。果たして魚雷バットは打者を救うことができるのか?