ニッサン・フォーミュラE、ルーキーテストでビクトール・マルタンスとルカ・ギオットを起用

　4月13日、2022／2023年ABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン9”に参戦するニッサン・フォーミュラEチームは、2022年FIA F3チャンピオンで、今季はFIA F2に参戦中のビクトール・マルタンス、そしてルカ・ギオットを、4月24日にベルリンのテンペルホーフ空港サーキットで開催されるルーキーテストに起用することを明らかにした。

　2018／2019年の“シーズン5”から『ニッサンe.ダムス』としてフォーミュラEへ挑戦してきたニッサンは、フォーミュラEへの取り組みをさらに強化するべく2022年4月にe.ダムスを買収。2022／2023年の“シーズン9”よりチーム国籍も日本となり、チーム名も『ニッサン・フォーミュラEチーム』として参戦。ノルマン・ナトとサッシャ・フェネストラズがステアリングを握っている。

　2022／2023年“シーズン9”の第6戦／第7戦ベルリン後の4月24日に、フォーミュラEの全チームが参加するルーキーテストが行われるが、そこでニッサン・フォーミュラEチームはマルタンス、ギオットのふたりを起用する。

　28歳のイタリア人ギオットは、2015年GP3でランキング2位を獲得。翌年よりGP2、2017年はウイリアムズF1のテストドライバーを務めつつFIA F2に参戦。GP2／FIA F2合わせて5シーズンにフル参戦し、ランキング最上位は2019年の3位だった。なお、ギオットはルーキーテスト参加と同時にニッサン・フォーミュラEチームにシミュレータードライバーとして加入することも明らかにされた。

「このような素晴らしいシリーズで、ニッサン・フォーミュラEチームの一員になれることを本当にうれしく思っている。ニッサンは巨大なブランドだから、さらに特別なことだね。初めてフォーミュラEマシンをリアルに感じれる日が待ち遠しい」とギオット。

「そしてシミュレータードライバーとなる僕の仕事は、さまざまなセッティングやプログラムをテストしてチームを助けることだ。フォーミュラEはサーキットでの走行時間が非常に限られているため、シミュレーターからのデータがレースウィークエンドで非常に重要になる」

「ルーキーテストは、実車のフィーリングを理解し、参考にすることができるからファクトリーでの仕事に役立つに違いない。ルーキーテストは僕にとってエキサイティングな機会であると同時に、僕のバーチャルの世界での仕事にも役立つ。ベルリンのコースは本当に楽しそうだ。シミュレーターで走ったことがあるけど、実際に走るのが楽しみだね」

　そして21歳のマルタンスは、BWTアルピーヌF1チームの若手ドライバープログラムであるアルピーヌ・アカデミーの一員であり、FIA F3王者獲得を経て、今季FIA F2にデビュー。開幕3戦で2回の表彰台とポールポジションを獲得している。

「チームは僕が所属するアルピーヌ・アカデミーと密接な関係にあり、僕にとって初めてフォーミュラEマシンを体験できる絶好のチャンスだ。ニッサン・フォーミュラEチームのルーキーテストに選ばれたことは、とても光栄に思う」とマルタンス。

「すでにシミュレーターに乗ったことがあるけど、本当に面白かった。学ぶべきことはたくさんあるし、これまでとは違うドライビングスタイルにしなければいけない。フォーミュラEをドライブすることは、自分のスキルを向上させる絶好の機会だから、この挑戦に興奮している。このテスト機会を最大限に活用し、チームとサーキットで過ごす時間からできる限り多くのことを学びたいと思う」

　また、ニッサン・フォーミュラEのゼネラルマネージャーで、ニッサン・フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ・ヴォルペは「ルカを迎え入れることができ、本当に嬉しく思う。彼はシーズン当初からシミュレーターで作業していたので、マシンドライブのチャンスを与えるのは理にかなっている。このテストはチームにとって貴重なもので、シミュレーターでのルカの仕事に恩恵を与え、パフォーマンスを向上させるのに十分な経験を積ませることができるだろう」とコメント。

　また、マルタンスについては「ビクトールは若く有望なドライバーであり、アルピーヌ・アカデミーやルノー・ニッサン・ミツビシアライアンスとのコネクションを活用できることを嬉しく思う。彼のような新星を引き寄せることができるのは、シリーズにとって素晴らしいことだ。彼は今年FIA F2デビューを果たし、強い兆しを見せているので、『ニッサンe-4ORCE 04』でチャンスを与えるのは自然な選択だった」としている。