メルセデスとラッセルが契約更新か。高額年俸で合意の可能性
2025年4月17日(木)8時30分 AUTOSPORT web

ジョージ・ラッセルが今シーズン、素晴らしいスタートを切ったことで、トト・ウォルフ代表は、彼との契約延長の交渉を推し進めることにしたようだ。ウォルフもラッセルも、シーズン前の時点では、新契約を急ぐつもりはなく、サマーブレイクの間に契約の詳細を詰める予定であると述べていたが、ウォルフは2026年以降に向けて早急にラッセルを確保しようとしている。
ラッセルはここまでの4戦で3回表彰台に上り、ランキング4位につけている。マックス・フェルスタッペンが今年末にレッドブルを離れる可能性が高まりつつあるとみられ、フェラーリではルイス・ハミルトンが、マクラーレンではランド・ノリスが、チームメイトから大きなプレッシャーを受けている状況を見て、メルセデスはラッセルとの新契約をできるだけ早くまとめる必要性を感じたのだろう。
バーレーンGPの終了時に、ウォルフ代表は、トラブルを抱えながら2位をつかんだラッセルは称賛した。
「今日、ジョージがやったことは、まさに信じられない走りだった。正直なところ、マシンがトラブルを抱えていたことを考えると、ノリスの前でフィニッシュできたのは、本当に素晴らしい結果だ」
「ブレーキ・バイ・ワイヤが突然故障して、それをリセットするための設定を見つけるのに少し時間がかかった。しかし我々はそれを成し遂げた。ジョージは、ノリスが後ろにいる状況で、機能したりしなかったりするシステムを管理して走ったのだ。本当に信じられない走りだった」
「今日ジョージがやったことによって、我々は表彰台を得ることができた。ソフトタイヤであれほど長く走ったのも素晴らしかったし、マネジメントすべき時と攻めるべき時のバランスも見事だった」
「ブレーキ・バイ・ワイヤが、あるコーナーでは効いていて、次のコーナーでは効いていない、という状況に適応しなければならないと想像してみてほしい。それは、非常に優れたスキルだった」
メルセデスに近い関係者によれば、ラッセルと彼のマネジメントチームは、年俸を大幅に引き上げ、年間3,000万ドル(約42億5,000万円)規模にすることを目標としているという。これは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)やノリスが受け取っているとされる額と同等である。
もちろん、それでもフェルスタッペンやハミルトンの年俸にははるかに及ばないが、このふたりは複数回のワールドチャンピオンであり、チームのスポンサーにとって莫大な商業的価値を持っているため、高額の年俸を要求できる理由がある。
アンドレア・キミ・アントネッリとは2028年まで大きな報酬を受け取らない長期契約が確定しているため、メルセデスにはラッセルの年俸を2倍以上に引き上げる余裕がある。そのため、両者の交渉は迅速に進むと見られており、新契約の発表は7月第1週のイギリスGP開幕の前日に行われる可能性があるともいわれる。