河本結が選ぶ“名手”6人 「私が理想とする弾道を打っている」ドライバーショットで名前を挙げたのは…【女子プロうまい人ランキング】
2025年4月18日(金)12時0分 ALBA Net
国内女子ツアーは3月から2025年シーズンがはじまり、ルーキーからベテランまで、さまざまな選手が活躍している。今季も見どころ満載だが、気になるのは年間女王争いに誰が加わるのか。実際にロープ内で戦う選手たちにドライバーショットからパッティングまで、うまいと思う選手を挙げてもらった。プロが選ぶ最高の選手はいったい誰なのか。観戦する上でも参考になりそうだ。今回は河本結に聞いた。
【ドライバー部門】
小祝さくら
「今、日本ツアーで戦っている選手なら…小祝さくらちゃんですね」と同世代の小祝を挙げる。
河本が“うまい”と思うポイントは次のように語る。「飛ぶし、私が求めている理想の球筋に近いんです。ほぼストレートでスピン量も少ない感じの大きい球。球は高いけど、上がるだけでなく直進力があります」。飛んで曲がらない小祝のスイングは見ているだけでも参考になりそうだ。
小祝はツアー2年目の2019年「サマンサタバサレディス」でツアー初優勝を遂げると、24年まで毎年優勝を挙げ、年間ランキングも常に上位に入る安定感が光る。ツアー通算11勝の実力者は、今年は年間女王の有力候補といえるだろう。
【フェアウェイウッド&ユーティリティ部門】
青木瀬令奈
フェアウェイウッド(ユーティリティ)部門は、プロ15年目のベテラン、青木瀬令奈。「ウッドを使ったショットがめっちゃピンにスジって来るイメージがあります。ユーティリティを含めてウッド系はうまいです」と、長いクラブを持ってもきっちりグリーンをとらえ、ピンに寄ってくるとのことです。
青木のドライビングディスタンスは220ヤード前後。ツアーでは“飛ばない”選手に分類されるが、通算5勝を挙げ、2015年からシード権を保持し続けている実力者。フェアウェイウッドやユーティリティのうまさが、飛距離不足をカバーし、長年第一線で活躍されているといえる。
【アイアン部門】
山下美夢有
アイアン部門は、2022年、23年と2年連続で年間女王となった山下美夢有だ。今季は米女子ツアーを主戦場としている。
「飛距離よりも精度で勝負するタイプ。2打目で使うクラブは、他の人より大きいクラブになります。例えば私がピッチングウェッジで打つところ、8番アイアンを持つとか。それでも高い精度でピンに寄せてくるんです」
2001年生まれの山下。コロナ渦で統合された2020-21年シーズンはルーキーながら賞金ランキング13位に食い込んだ。翌22年には年間5勝を挙げて、21歳103日で年間女王を戴冠。07年に賞金女王を獲得した上田桃子の21歳156日を抜いて、史上最年少記録。スイングの安定感とショットの精度の高さが輝かしいキャリアを支えている。
【ショートゲーム部門】
鈴木愛
ショートゲーム部門は、ツアー通算20勝で2017年と19年に2度の賞金女王を獲得している鈴木愛を挙げる。
昨季のリカバリー率部門で2位(70.8042%)に入ったショートゲームの名手・河本が太鼓判を押す鈴木について「いろんな引き出しを持っていて、うまいっす、マジで」と絶賛する。転がしたり、上げたり、どんな状況からでも寄せてくるシーンが頭にあるようです。
鈴木といえば、平均パット数1位を獲得するなどパット巧者のイメージが強いが、リカバリー率部門を見ても18年と19年に2位に入るなどショートゲームの巧さはデータも証明されている。
【バンカー部門】
柏原明日架
バンカーショット部門はプロ12年目でツアー通算2勝の柏原明日架。2019年にサンドセーブ率1位を獲得するなどショートゲームには定評がある。
柏原を挙げた理由は手首の使い方だ。「バンカーショットってコックを使って打つのが大事ですが、(柏原)明日架さんは、手首をやさしく使います。コックの使い方がめっちゃうまい。スイングもコックを使うタイプですが、バンカーもめっちゃうまいと思います」。柏原のように手首をやさしく使うことがバンカー脱出のカギになりそうだ。
【パッティング部門】
川崎春花
パッティング部門は川崎春花。2003年度生まれのいわゆるダイヤモンド世代の一人。ルーキーイヤーの2022年に国内公式戦の「日本女子プロゴルフ選手権」で初優勝を遂げるなど、デビューから3年で5勝を挙げている。
川崎の名前が出たのは、試合の中で肌で感じたことも大きい。「(川崎)春ちゃんはロングパットを決めるんです。しかも優勝争いしたときに、長い距離のパットを入れている印象です。ショートパットを外すこともあるけど、ロングパットを決める確率が高いと思います。優勝争いをしていてロングパットを決められると“うわっ”ってメンタル的に来ます。それが1回じゃなくて、優勝しているときはけっこう入っているから、実力だと思います」。大事な場面で長い距離のパットを入れる勝負強さが、勝ち星を重ねられる秘訣なのだろう。
総じて名前が上がるのはランキングの上位者だ。逆にいうと何かに秀でたものがあるからこそ、上位に顔を出せるといえるだろう。多くの選手がいる中で、ロープ内で選手が感じる意見はとても参考になる。
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