カラム・アイロットへの多数の殺害予告や罵倒に対し、インディカーが声明を発表「この振る舞いは許されない」

　インディカー・シリーズは、2023年第3戦ロングビーチGPのレース後にカラム・アイロット（フンコス・ホーリンガー・レーシング）に対してソーシャルメディア上で浴びせられた「容認できない」殺害予告があったことを受けて、声明を発表した。

　この驚くべきレベルの罵倒は、ロングビーチGPのレースにおけるアイロットとチームメイトのアグスティン・カナピノによるチーム内の争いに端を発したものだ。カナピノは戦略のおかげで偶然にもレースをリードすることになったが、ピットアウトしたアイロットがカナピノの前に出た。

　しかしアイロットは冷えたタイヤでペースが上がらず、彼の後続のマシンはひとつの集団になった。その集団には事実上のトップだったカナピノも含まれており、最終的にはスピードに勝るライバルたちに飲み込まれてしまった。

　その結果カナピノの短気なファンたちはソーシャルメディアでアイロットを罵倒し、彼の守りに入ったドライビングを激しく非難したが、ドライビングはまったく問題のないものだった。

　アイロットは皮肉を交えて、「僕が受けた殺害予告や罵倒の量には純粋に感動した。間違いなく新記録だ。新しいスペイン語の単語を学ぶために努力してくれたことに本当に感謝している」と語った。

　これについてインディカーは月曜日の深夜に声明を発表。ネット上での罵倒をはっきりと非難し、パドックにいるすべての人々へ支援と感謝を呼びかけた。

「この24時間の間に、我々のドライバーの何人かが無礼で不適切なオンライン上での罵倒のターゲットになった。我々のスポーツにおいて、この振る舞いは許されない。熾烈な競争と対立は常にインディカーレースの中心ではあるものの、競技者の幸福を最大限に尊重し気づかいを持って、その特性を示し祝福することが重要だ。インディカーは互いに支え、感謝しながら、常に上を目指していくべきコミュニティだ」

　インディカーの声明を受けて、フンコス・ホーリンガー・レーシングも独自の声明を発表した。声明では、このようなことはチームにとってもこのスポーツにとっても許されるものではないこと、そしてドライバーは常に互いに敬意を持っていることが述べられている。