【高校野球】帯広三条が室内練習場の倒壊乗り越え、24年ぶりの夏甲子園出場を目指す…記録的大雪、、、湯佐星真主将「嘘じゃないかと」

2025年4月20日(日)6時30分 スポーツ報知

1年生15人が加わり、29人で大会に臨む帯広三条

 夏の甲子園に5度出場している帯広三条は、2月に大雪の影響で室内練習場が倒壊。オフは十勝管内の中学硬式野球チームや他校の施設を借りて練習に励んできた。限られた環境の中で鍛え上げた打撃を武器に春は全道出場、夏には24年ぶりの甲子園出場を目指す。

 “打の三条”で逆境を乗り越える。湯佐星真主将(3年)は「この冬はいろんな人にお世話になった。活躍している姿で恩返しして、感謝の気持ちを伝えていきたい」と力を込めた。

 想定外のアクシデントに見舞われた。十勝地方に記録的な大雪が降った2月初旬。1991年9月に建てられた縦25メートル、横12メートルの室内練習場が雪の重みに耐えきれず、同月4日に倒壊した。数日間休校だったため、野球部のSNSで被害を知った湯佐主将は「嘘じゃないかと。納得がいかないというか(事実として)認められなかった」と振り返る。

 室内練習場は取り壊された。自校の体育館は他の部活が使用するため、野球部が専用利用できるのはウエートトレーニングルームのみ。平日は往復約1時間かけて芽室町内にある中学硬式野球チームの施設に通ったほか、帯広北、帯広農といったライバル校の室内練習場を貸してもらいながらグラウンドの雪解けを待った。

 例年と比べて時間、場所が制限される中、全体練習の約8割を打撃に充てて徹底的に強化。佐藤竣介監督(31)が自腹で購入した弾道測定分析機器のラプソードを使って計測しながら、長打になりやすい打球速度130キロ以上、角度15度を目指してバットを振り込んだ。成果は早くも現れ、打球がライト(94メートル)の高さ12メートルの柵を越えることも出てきた。柵の先には民家が並んでおり、指揮官は「(左打者に)引っ張るな、とも言えないですしね。ちょっと困ってます」と、うれしい誤算に苦笑いだ。

 打撃は例年以上の手応えをつかみ、春、そして勝負の夏に向かっていく。理想の展開は「打ち勝つ野球」と湯佐主将。新室内練習場建設の協議も進む中、ハンデに負けることなく突き進んでいく。(島山 知房)

スポーツ報知

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