「パスポート更新」が呼んだ出場権? 林菜乃子、海外経験ほぼゼロから大舞台へ

2025年4月23日(水)8時0分 ALBA Net

“願掛け”が実り林菜乃子が全米女子オープン出場権を手にした(撮影:ALBA)

<全米女子オープン最終予選◇22日◇房総カントリークラブ房総ゴルフ場・東/西コース◇東=6519ヤード・パー72、西=6413ヤード・パー72>

「先週、願掛けでパスポートを更新したら通りました」。高校2年生の時に中国の大会に出場したことはあるが、海外経験がほとんどないプロ8年目の林菜乃子が、大舞台への切符を手にした。


一日で2ラウンドをプレーし、上位5人が米ウィスコンシン州エリン・ヒルズGCで開催される「全米女子オープン」への出場権を得られるというこの予選。昨年は初めてエントリーしたが、1ラウンド目からつまずき、結果を残せなかった。

そんな苦い思い出を胸に臨んだ今大会。「とりあえず36ホールを終えて、自分が納得できればいいかな」と、過度な期待はせず自然体で挑んだ。第1ラウンドは「68」でトップに立ち、第2ラウンドは「72」とスコアを伸ばせなかったものの、4アンダーを守り切って2位タイで予選を通過した。

スコアが物語る通り、後半は苦戦した。1日で36ホールを回る過酷さに加え、午後には強風が吹き、それも選手たちの体力を奪った。「足がつりそうでした」と冗談交じりに話すも、ストレッチや体のメンテナンスをしながら、なんとかゴールへたどり着いた。

今季のQTランクは、限定的な試合出場にとどまる46位。レギュラーツアーは「ヤマハレディースオープン葛城」に出場したのみだが、予選通過のうえ27位という成績を収めた。しかしそこでは「パターのタッチがいまいち」という課題も。師事する芹澤信雄のレッスンを受け、「思ったラインにボールを乗せられた」と感触をつかんだ。林は「ラインを消して打ちたいタイプ」と話しており、その影響か、近頃はストロークのスピードが速くなりすぎて、出球が強くなっていたという。そこで「少しゆっくりにして、フェースに乗る時間を長くするような感覚」に変えたことで、前半戦では6つのバーディを奪うことができた。

海外での戦いはほとんど経験がないなか、「世界のメジャーに出てみたい」という夢を抱き続けてきた。“願掛け”の効果は即効性を発揮し、夢への第一歩である予選突破という目標を達成。「自信になりました」と目も輝く。

全米で好成績をおさめることはもちろんだが、それ以上に「世界の選手たちのさまざまなプレーを見られるのがすごく楽しみ」と、今から胸が高鳴っている。エリン・ヒルズGCは2017年に「全米オープン」が開催された舞台だが、林にとっては未知の世界。「どういう戦い方をすればいいのか全く分からない」とここから研究していくが、それすらも今は楽しみの一つ。「学びを持ち帰れるように」。挑戦者として初の海外メジャーを思い切り楽しむつもりだ。(文・齊藤啓介)


<ゴルフ情報ALBA Net>

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