厄落としは終了? 西村優菜がメジャー前に見舞われた“トラブル”の数々「一日中移動していた気分」
2025年4月23日(水)10時35分 ALBA Net
ちょっぴりお疲れモード? 西村優菜がトラブルに巻き込まれた(撮影:南しずか)
<シェブロン選手権 事前情報◇22日◇ザ・クラブatカールトン・ウッズ(米テキサス州)◇6911ヤード・パー72>
大事な今季メジャー初戦。その開幕前に、思わぬトラブルの連鎖に巻き込まれているのが西村優菜だ。「眠いです」。ちょっとお疲れの表情には、“わけ”がある。
「(空港の荷物受取場に)キャディバッグが出てこなかったんです。スーツケースは全部出てきたんですけど…。エアタグ(紛失防止タグ)を入れていて、(探したら)オースティンの空港に行ってたみたいで」
先週出場した「JMイーグル選手権」が行われたロサンゼルスから、今週のテキサス州に移動してきたのは、20日(日)。午後3時の便に乗り、余力を残す移動のつもりが、ロストバゲージで吹き飛んだ。すぐさま空港で職員に話をし、荷物を届けてもらうことになった。
西村が使用したヒューストンからオースティンの空港までの距離は250キロほど。広大な米国で考えれば近いとも言えるが、それでも“すぐ近所”というほどではない。荷物を積んだ便が到着しても、それが出てくるまでにも少し時間を要することになり、結局キャディバッグが手元に届き、空港を出る頃には時計は深夜0時を回っていた。さらに今週使用する大会提供の車をピックアップするため、配車サービスの車に乗りこむと、そこから40分かけて今度はコースへ移動。無事、車を受け取り、借りていた家に着いたのは深夜3時過ぎだった。「たった数時間のフライトなのに、一日中移動していた気分でした」。疲労困憊のなか、眠りについたのは午前4時30分過ぎだったという。
これまで、海外遠征で何度か同様のできごとに巻き込まれているため“慣れ”はあるが、それでもこの状況のなか、翌月曜日から9ホールの練習ラウンドで調整に励んでいる。さらに火曜日はプロアマに出場し、イン9ホールをプレー。落ち着く間もないが、コースチェックは入念に行っている。
6911ヤードと、米ツアーでも屈指の長さを誇るコースは、西村に毎年「長いなぁ。自分のなかで一年のうち上位と言えるタフな試合」という感想を抱かせる。それに加え、今年はここまで例年になく地面がウェットな状態で、ほぼランでは距離を稼げない。「セカンドでアイアンを持てたパー4は1カ所でした」。もともと巧みに操るウッドが生命線ではあるが、さすがに立て続けというのは楽ではない。それでも「調子が上がってくればショートウッドは武器だし、自信を持って振れると思う。感じも悪くない」と、真っ向勝負を挑むつもりだ。
今季は、予選落ちがなかったタイ、シンガポールでの試合と、マッチプレー大会を除く4試合すべてで、ここまで決勝ラウンドに進めていない。ポイントランキングも108位に甘んじており、「ここできっかけをつかめたら」という思いも持ち込んでいる。過去2年間は56位(23年)、67位(24年)ながら、予選は通過している大会。ウェットな地面も「グリーンも軟らかいので、攻めやすさもある」と、味方になる側面も持ち合わせている。
ドタバタ続きの日曜日は、帯同する中島敏雅コーチがホテルにチェックインできないというトラブルも発生。「フロントに人がいるのに、『30分前に終わりました』って言われて。(代金も)払ってるのに〜って。みんな疲れてます」。そう言って、このドタバタ劇を笑い飛ばした。“厄落とし”はすでに終了。ここからは疲労も感じないほどの、爽快プレーを続けたい。
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