【PANCRASE353】雑賀が豪快な膝蹴りで天弥にTKO勝ち ライト級王座2度目の防衛に成功
2025年4月27日(日)18時50分 スポーツニッポン
◇PANCRASE353(2025年4月27日 東京・立川ステージガーデン)
今年2回目のナンバーシリーズのメインイベントで、第9代ライト級キング・オブ・パンクラシストの雑賀“ヤン坊”達也(34=DOBUITA)が、同級1位1位の天弥(20=和術慧舟會HEARTS)を3R54秒、左膝蹴りからのパウンド連打でTKO勝ちし、2度目の防衛に成功した。
雑賀は昨年3月31日の「PANCRASE341」でアキラを右ハイキックで倒して王座を獲得。同年9月29日の「347」での初防衛戦は、かつて敗れていた久米鷹介を左フックからのパウンドで退けた。今回は自身と同様に強打を誇る天弥。激闘必至の一戦を前に「日本ライト級一のストライカーは自分と教えてやる」と宣言していた。
1Rから激しい打撃戦となった。開始早々、天弥のフックで雑賀がぐらついたが、終盤には左を当てて相手のバランスを崩した。ジャッジの採点は、雑賀の10—9が1人、天弥の10—9が2人と割れた。
2Rに入って王者がペースをつかんだ。50秒すぎに投げで倒されたが、すぐに立った。自分の距離を保ち、2分すぎにアッパー、ストレートを当てた。タックルにも冷静に対応。ジャッジは三者とも王者を支持した。
3Rも積極的に仕掛けていくと、天弥はパンチで応戦。激しい打ち合いの中、雑賀が首を抱える体勢となり、左膝蹴りを一閃(いっせん)。倒れた相手に鉄槌(てっつい)を浴びせ試合が終わった。
再びベルトを巻いたリング上で「日本最強ストライカー対決で勝っちゃいました。俺が最強ストライカーで文句ねえだろう」と叫んだ。会社員をしながら格闘技を続けているため「家族がいるから格闘技ができている」と周囲への感謝の言葉も口にした。さらに「(自分の試合を)RIZINで見たくはないですか?7月、オファーを待っています」と格闘技イベント「RIZIN」への参戦を求めた。
大会をライブ配信したU-NEXTで解説を務めた第2代バンタム級キング・オブ・パンクラシストの石渡伸太郎氏は「ヤン坊選手は“脳しんとう製造機”と言っていいんじゃないか。毎回違う形で倒すのは凄い」とV2を果たした王者を絶賛していた。
ウェルター級王座決定戦は、同級3位の佐藤生虎(31=UNITED GYM TOKYO)が同級1位の押忍マン(31=DESTINY JIU−JITSU)に2R、左フックからのパウンド連打で勝利。後頭部へのパンチが反則と判断された昨年9月29日の「347」に続く再戦で、真の王者となった。
第5代バンタム級キング・オブ・パンクラシストの透暉鷹(ときたか、28=ISHITSUNA MMA)は、脱水症状による緊急搬送のため計量を欠席。挑戦者の同級1位・カリベク・アルジクル・ウルル(23=キルギス)は最終計量で63.0キロと1.8キロの超過。これにより両者失格により、試合中止となった。