矢野燿大氏 阪神・伊原は持ち前の制球力で新人らしからぬ投球を披露 ただ投手に2本打たれたのは反省点

2025年4月28日(月)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神1—2巨人(2025年4月27日 甲子園)

 【矢野燿大 視点】初めての甲子園での巨人戦登板で、ルーキー伊原が素晴らしい投球を見せた。注目の舞台で、チームの連勝も懸かる状況でも、自分の持ち味を十二分に発揮した。新人がなかなかできる投球ではないと感じさせた。

 見せ場は3回2死三塁での岡本との対戦だった。直前の吉川の二ゴロの間に、プロ入り初めての失点を許していたが、気持ちを引きずることなく、巨人の4番と勝負した。初球に内角高めのボールで内角を意識させ、外角球で2ストライクと追い込むと、最後は内角高め145キロの直球で空振り三振。ここで耐えたことが試合を白熱したものにした。

 坂本の要求に、内角、外角と両サイドをしっかり攻めた。あそこまで内に投げ切ることはなかなかできない。非常にレベルの高い投球だった。

 1メートル70とプロの中では上背がなく、投球に角度はつけにくい。威圧感を感じさせるタイプでもない。ただ、打席に立つと、相手はスピードガンの表示以上の速さを感じたはず。見た印象と、打席での球にギャップがある。打席に入って、初めて凄さを感じる投手ではないかと思う。

 両サイドに加えて、低めの質もいいから高低も使える。これからもローテーションの一角を守れるはず。一方で、投手の堀田に2安打されて同点につながったところは反省点。4番でも投手でもアウトはアウト。ピンチをつくらないようにする意識は、もっと高めてほしい。

 試合には敗れたが、チームとしても最後までやるべきことはやれた。しっかり切り替えて、野手も投手陣も次に向かうだけだ。

 (スポニチ本紙評論家)

スポーツニッポン

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