アルテタは記録更新なるか?…プレミアリーグにおける優勝監督の最年少記録を紹介

2023年5月1日(月)16時38分 サッカーキング

プレミアリーグ優勝監督の最年少記録を紹介 [写真]=Getty Images

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 今シーズンのプレミアリーグも佳境を迎え、優勝争いも最終コーナーを回った。リーグ戦8連勝で首位に浮上したマンチェスター・Cの3連覇が現実味を帯びつつあるが、2位に転落したアーセナルも最後まで諦めないだろう。仮にアーセナルが再逆転優勝を達成すれば、プレミアリーグに新たな「最年少記録」が誕生することとなる。

 2019年からアーセナルを率いるミケル・アルテタ監督は、3月に41歳の誕生日を迎えたばかり。現役のプレミアリーグ指揮官の中では、トッテナムのライアン・メイソン暫定監督(31歳)とサウサンプトンのルベン・セジェス監督(39歳)に次いで3番目に若い。データサイト『Opta』によると、もしアルテタが今シーズンのプレミアリーグで栄冠を手にすれば、プレミア史上最年少の優勝監督となるそうだ! それでは、今回はこれまでの最年少優勝記録を見ていこう。


[写真]=Getty Images

■10位:カルロ・アンチェロッティ(2009−10:チェルシー) 50歳333日


 10位に入ったのはイタリアが誇る名将アンチェロッティだ。監督として歴代最多4度のチャンピオンズリーグ(CL)制覇(ミランで2回、レアル・マドリードで2回)を誇るアンチェロッティは、2009年にフース・ヒディンクの後任として西ロンドンにやってくると、プレミア初挑戦でいきなり頂点に立った。

「1」ポイント差でマンチェスター・Uを抑えて、就任初年度にしてチェルシーを4シーズンぶりのリーグ制覇に導いたアンチェロッティ。それも単に優勝しただけでなく、当時50歳だったイタリア人指揮官はFWディディエ・ドログバを中心に圧倒的な破壊力を発揮。当時のプレミアリーグ記録となる「103ゴール」を叩き出して栄冠を手にした。

■9位:ジョゼップ・グアルディオラ(2020−21:マンチェスター・C) 50歳112日


 9位はジョゼップ・グアルディオラ監督の3度目のリーグ制覇だ。今シーズンのマンチェスター・Cの強さも異質だが、2年前のチームも圧巻だった。2020年12月から宿敵マンチェスター・Uに敗れる翌年3月まで公式戦21連勝を達成。これはイングランドのトップリーグ在籍クラブにおける公式戦の最長連勝記録となっている。結局、マンチェスター・Cはライバルを寄せ付けることなく、2位マンチェスター・Uに「12」ポイント差をつけてリーグ制覇を達成した。

 リーグカップも制していたグアルディオラ監督は、クラブの悲願であるCL制覇にも挑戦。順当に決勝まで勝ち上がったが、ファイナルではトーマス・トゥヘル率いるチェルシーに敗れて、欧州制覇はお預けとなった。

■8位:アーセン・ヴェンゲル(1997−98:アーセナル) 48歳193日


「アーセンって誰?」と懐疑的な目を向けられたフランス人指揮官は、就任2年目となる初のフルシーズンで偉業を成し遂げた。ヴェンゲルは、イングランド人で固めた自慢の堅守に加え、FWデニス・ベルカンプやMFマルク・オーフェルマルス、MFパトリック・ヴィエラやFWニコラ・アネルカといったタレントを擁してリーグを席捲。アレックス・ファーガソン率いる宿敵マンチェスター・Uとの優勝争いを制して7シーズンぶりのリーグ制覇を成し遂げた。

 さらにこのシーズンのヴェンゲルはFAカップでも勝ち上がると、決勝でニューカッスルを退けて頂点に上り詰め、クラブ史上2度目となる“ダブル(二冠)”を達成したのだった。

■7位:ジョゼップ・グアルディオラ(2018−19:マンチェスター・C) 48歳113日


 グアルディオラ監督にとってイングランドでの2度目のリーグ制覇は試練の連続だった。快進撃を続けるリヴァプールに「7」ポイント差も付けられて2位で新年を迎えると、1月3日に運命の天王山を迎えた。敗れれば「10」ポイント差のリードを許すことになるホームゲームは「数ミリ」が勝敗を分けた。

 0−0で迎えた18分、あわや失点というシーンでDFジョン・ストーンズが足を伸ばしてボールをかき出したのだ。ゴールラインテクノロジーの判定はノーゴール。わずか「11.7ミリ」だけボールがラインにかかっていたのだ。結局、マンチェスター・Cはこの試合を2−1で制し、最終的にリヴァプールを「1」ポイント差で上回り頂点に立ったのだ。

■6位:アントニオ・コンテ(2016−17:チェルシー) 47歳285日


 ユヴェントスで3度のリーグ制覇を成し遂げ、EURO2016でイタリア代表をベスト8に導いたイタリア人指揮官は、イングランドでもすぐに結果を残した。このシーズンは好スタートを切りながらも、9月に入ってリーグ戦で連敗を喫すると、そこで得意の「3バック」を導入。するとチームは守備が安定し、リーグ戦13連勝を果たして一気に首位に浮上した。その後も崩れることはなく、前年度10位に終わったチームをリーグ制覇に導いたのだった。

■5位:ロベルト・マンチーニ(2011−12:マンチェスター・C) 47歳167日


 3人目のイタリア人指揮官がランクイン。ちなみに、イングランドトップリーグの歴史においてイングランド人、スコットランド人に次いで多い優勝監督がイタリア人で4名だ(もう一人はクラウディオ・ラニエリ)。現役時代にレスターでプレー経験のあるマンチーニは、2009年にマンチェスター・Cの監督に就任すると“オイルマネー”で大改革を遂げたチームに栄光をもたらすこととなった。

 2011−12シーズンに44年ぶりとなるリーグ制覇を達成。シーズン最終節の後半アディショナルタイムにFWセルヒオ・アグエロが決勝ゴールを決める劇的な戴冠だった。

■4位:ジョゼップ・グアルディオラ(2017−18:マンチェスター・C) 47歳86日


 就任1年目の2016−17シーズンに監督として自身初の「無冠」を経験したグアルディオラ監督だったが、2年目には圧倒的な力を見せつけた。リーグ史上初の「100」ポイントを達成したほか、106ゴールや18連勝など様々な記録を打ち立て、自身初のプレミアリーグ制覇を達成。“世界最高の名将”という地位を確立した。このシーズンのマンチェスター・Cは「100」ポイントに到達したことで「センチュリオンズ」と呼ばれ、プレミアリーグの史上ベストチームの1つに挙げられている。

■3位:ケニー・ダルグリッシュ(1994−95:ブラックバーン) 44歳71日


 エースストライカーのFWアラン・シアラーが34ゴールを叩き出す活躍を見せたブラックバーンは、最終節までもつれたマンチェスター・Uとの熾烈な優勝争いを制して84年ぶりのリーグ制覇を達成。そのチームを率いていたのがリヴァプールの英雄であるケニー・ダルグリッシュだ。

 ちなみにダルグリッシュは監督として4度のリーグ制覇を経験しており、初優勝はプレミアリーグが発足される6年前のこと。1985−86シーズンに“選手兼監督”としてリヴァプールを2年ぶりのリーグ制覇に導いた。当時ダルグリッシュは「35歳60日」だったという。

■2位:ジョゼ・モウリーニョ(2005−06:チェルシー) 43歳93日


 DFジョン・テリー、MFフランク・ランパード、FWドログバ、さらにGKペトル・チェフやMFマイケル・エッシェン、FWアリエン・ロッベンなど、世界的プレーヤーが就任2年目のジョゼ・モウリーニョ監督の元で一丸となってイングランドを席捲。リーグ戦のホームゲームは19試合で18勝1分け0敗という圧倒的な強さを誇ってプレミアリーグ連覇を達成した。

■1位:ジョゼ・モウリーニョ(2004−05:チェルシー) 42歳94日


 2位がモウリーニョの2年目なのだから、当然1位は“モウリーニョ元年”だ。前シーズンにポルトでCLを制した若きポルトガル人指揮官は、2004年に西ロンドンにやってくると自分は「スペシャルワン」だと豪語。もちろん、口だけの監督ではなかった。開幕戦で苦しみながらマンチェスター・Uに勝利すると、そこから勢いは止まらず、強烈な自己紹介に見合うだけの結果を残した。

 結局、チェルシーは38試合を戦って敗れたのは敵地でのマンチェスター・C戦の1試合だけ。そして歴代最少のわずか「15失点」という抜群の安定感でプレミアリーグ初制覇。プレミア以前を含めるとチェルシーにとって50年ぶりのリーグ制覇だった。

(記事/Footmedia)

サッカーキング

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