キャシディが“モナコウイナー”の仲間入り。2連勝でランキングトップに躍り出る/フォーミュラE

　5月7日、2022／2023年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン9の第9戦モナコE-Prixがモンテカルロ市街地コースで行われ、ニック・キャシディ（エンビジョン・レーシング）が優勝を飾った。

　F1でもおなじみのモナコ・モンテカルロで開催された第9戦。予選ではサッシャ・フェネストラズ（ニッサン・フォーミュラEチーム）がポールポジションタイムを記録し、2番手にジェイク・ヒューズ（ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム）、3番手にノルマン・ナト（ニッサン・フォーミュラEチーム）が続くも、予選後フェネストラズに「オーバーパワー」のペナルティが科される。

　それでもヒューズが繰り上がりポールになると、2番手フェネストラズ、3番手ナトとニッサン・パワートレイン搭載マシンがトップ3を独占する結果で決勝を迎えることに。そのスタートでは各マシンがクリーンな出だしををみせ、先頭のヒューズが隊列をリードしながらレースが進んでいく。

　一方、中団からポジションを上げていたキャシディは、4周目のヘアピンでジェイク・デニス（アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE）、パスカル・ウェーレイン（タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム）をかわすと、その勢いのままミッチ・エバンス（ジャガーTCSレーシング）、さらには順位を下げたヒューズをオーストラリアして4番手に浮上してくる。

　その後は各車がアタックモードを使用するなかでポジションが変動。首位エバンスを先頭に、2番手キャシディ、3番手フェネストラズ、4番手デニスというトップ4が激しく順位を争う。そのなかでキャシディは18周目にトップに立ち、2番手エバンスとサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げるが、セーフティカー（SC）が導入され一度クールダウンとなる。

　リスタート後もキャシディとエバンスのバトルは続き、両者とも一進一退の攻防を繰り広げる。その後も順位が変わることなく残り2周となる28周目を迎えるが、ターン1でニコ・ミューラー（ABTクプラフォーミュラEチーム）のマシンがストップしたことでSCが出動。そのままファイナルラップとなり、レースはSC先導でのチェッカーを迎え、キャシディが前戦ベルリンから2連勝を飾った。

　モナコウイナーの仲間入りを果たしたキャシディはレース後「素晴らしい気分だよ！　言葉を失うほどとても特別なことだ」と喜びを爆発させた。

「フリー走行では21番手でとてもショックだったけど、予選では10番手（グリッドは9番手）になることができた。2台のクルーをはじめ、ガレージのみんなが問題を解決してくれた結果、この優勝を得ることができたから、本当にとても嬉しいよ！」

　そして好バトルを繰り広げながらも2位となったエバンスも、「ニック（キャシディ）とエンビジョン・レーシングが素晴らしい仕事をしたことを全面的に評価したいね。今日は僕はベストを尽くしたよ」と勝者を称えた。

　この優勝でキャシディは計121ポイントとなりドライバーズランキングでトップに立ち、ワールドチャンピオン獲得に向けて大きな前進を果たす。さらにチームランキングでもエンビジョン・レーシングが182ポイントで首位に立つ結果になった。早くも中盤戦に突入しているフォーミュラEシーズン9。次戦は6月3〜4日にインドネシア・ジャカルタで第11戦、第12戦のダブルヘッダーレースが開催される予定だ。

■2022／23年フォーミュラE第9戦モナコE-Prix　順位結果

2022／23年フォーミュラE第9戦モナコE-Prix　順位結果