スーパー耐久富士24時間にビッグサプライズ! 中嶋一貴がナニワ電装TEAM IMPUL Zをドライブへ

2023年5月12日（金）17時1分　AUTOSPORT web

　5月12日、2023年からスーパー耐久シリーズのST-Zクラスに参戦しているナニワ電装TEAM IMPULは、5月26〜28日に静岡県の富士スピードウェイで開催されるスーパー耐久シリーズ第2戦NAPAC富士SUPER TEC 24時間レースで、FドライバーとしてTOYOTA GAZOO Racing EUROPE（TGR-E）副会長である中嶋一貴を起用すると発表した。一貴はニッサンZ GT4を田中優暉／平峰一貴／大木一輝／星野一樹／石川京侍とドライブする。

　2023年のスーパー耐久第2戦富士24時間に向けては、すでに各チームから多くの楽しみなゲストドライバー参戦が発表されているが、激戦のST-Zクラスでまさかの組み合わせが実現することになった。2023年からニッサンZ GT4のパイロットカスタマーチームとして参戦しているナニワ電装TEAM IMPULが、これまでキャリアのなかでほぼ一貫してトヨタ車をドライブしてきた中嶋一貴を起用することになったのだ。

　きっかけとなったのは2月17日の星野一樹のSNSでの発信だ。今季のナニワ電装TEAM IMPULのスーパー耐久参戦発表を行った日だが、今季レギュラードライバーのラインナップは4人中3人が『カズキ』の名をもつ。そこで、星野一樹が「モータースポーツを盛り上げる一助となれば」と「24時間はドイツのカズキさん、乗ってくれないかなぁ」とツイートしたのだが、これがなんと実現に至ったのだ。

　ともに偉大なレーシングドライバーを父にもつ星野一樹と中嶋一貴のふたり。星野一樹は2021年限りでスーパーGTを退き、インパルの取締役、そして今季はTEAM IMPULの監督を務める。一方の中嶋一貴も2021年でスーパーフォーミュラ、WEC世界耐久選手権への参戦を終え、TGR-E副会長に就任。それぞれドライバーの活動としては一線を退いてはいるが、スーパー耐久という舞台で一戦のみながら、チームメイトになる夢のようなシーンが見られそうだ。

　ナニワ電装TEAM IMPULは、参戦実現にあたり「TOYOTA GAZOO Racing様、日産・NMC（NISMO）様、ナニワ電装様をはじめとする各スポンサー様、関係者各位の甚大なるご理解ご協力を賜りましたことを、深く感謝申し上げます」としている。カスタマーレーシングカーでのレース活動は基本的にチームの自由度が高いが、それぞれにメーカー内での立場もあり、実現までは多くのハードルがあったはず。モータースポーツ、そして富士SUPER TEC 24時間レースの盛り上がりに向け、理解を示した関係者一同に賞賛を贈りたいところだ。

　中嶋一貴はこれまでのキャリアでは、ユーロF3やGP2以外ではトヨタ車／トヨタエンジン搭載車で戦ってきており、ニッサンZ GT4をドライブするシーンは新鮮そのものになるだろう。そして、ル・マン24時間3連覇の経歴をもつ中嶋一貴加入により、4人の『カズキ』を含む強力ドライバーラインアップを揃えたナニワ電装TEAM IMPUL Zが、ST-Zクラス優勝を目指していく。