F1復帰を諦めないミック・シューマッハー。ディルク・ミューラーをアドバイザーに任命、体制強化を図る
2025年5月14日(水)7時0分 AUTOSPORT web

ミック・シューマッハーは、F1キャリアを再燃させるための戦略的な動きとして、経験豊富なドイツ人スポーツカードライバーのディルク・ミューラーをパーソナルアドバイザーに任命した。7度の世界チャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハーの息子である26歳のミックは、この新たな提携により、2年間の離脱を経てF1グリッドに復帰できる可能性が高まることを期待している。
シューマッハーのF1への旅は2021年にハースから始まった。シューマッハーはニキータ・マゼピンとともにレースに参戦したが、その後マゼピンは2022年にケビン・マグヌッセンと交代。シューマッハーは、2022年シーズン終了後にシートを失った後、2023年と2024年にアルピーヌからWEC世界耐久選手権に参戦しながらメルセデスF1のリザーブドライバーを務めた。
F1のスポットライトから遠ざかっていた時期があるものの、FIA F2チャンピオンであるシューマッハーは復帰の決意を固めている。ドイツのウェブサイト『Motorsport-Magazin』とのインタビューで、ミューラーは自身の新たな役割について概説し、シューマッハーの持つ可能性に対する信頼を表明した。
「私はミックの側にアドバイザーとしてついている」とミューラーは語った。
「ミックの周りには今も彼のチームがいて、私もその一員だ。我々は去年から一緒にいるが、今がちょうどいいタイミングだ」
「ミックは非常に才能があるだけでなく、素晴らしい人物でもある。できる限りの手伝いをしたいと考えている」
■ミューラー、シューマッハーの成長に自信
2000年代初頭からシューマッハー家と関わりを持つミューラーは、ミックのドライバーとしての成長を強調した。
「我々が実際に知り合ったのは、ミハエルが自宅でサッカーの試合をするチームメイトを探していた、2000年代初頭だった」とミューラーは振り返った。
「ひとつのことが次のことに繋がっていった。ミハエルは当時、ずいぶん私を助けてくれた」
「私はカートからF1まで、ミックの輝かしいキャリアをずっと追ってきた。以前にも連絡を取り合っていたが、それはどちらかというと水面下でのことだった」
「彼はF1という競争の激しい世界で、自分を主張するだけの懸命な努力をしてきた。今日、ミックは2021年にデビューしたときよりもはるかに進歩している。彼は過去を振り返ってはいない。ただ前だけを見ている。彼は非常に多くの専門知識を身につけており、数年前にF2チャンピオンとしてF1に参戦したときとは異なる立場にいる」
「ミックをサポートすることに、私は非常に高い熱意を持っている」
ミューラーの指導とシューマッハーの精緻な視点から、その目標は明確だ。それは、おそらくは新しいキャデラックF1チームとともに、グリッドに復帰することだ。ただし今回は、より多くの経験、回復力、そして最高レベルで競争する準備を整えた上で臨むことになる。この提携が実を結ぶかどうかはまだわからないが、シューマッハーのF1における物語はまだ終わっていないという信念においては、両者とも一致しているようだ。