巨人の若手はなぜ伸び悩むのか、元コーチが指摘するチーム内の「空気」...コーチよりも先輩の方が「いい意見」
2025年5月14日(水)11時56分 J-CASTニュース
プロ野球巨人の元コーチで野球解説者のデーブ大久保氏(58)が、2025年5月13日にユーチューブを更新し、巨人の若手が伸び悩む原因を分析した。
「巨人は個人が大きい。そういう教育」
大久保氏は現役時代、西武と巨人でプレー。指導者としては、西武のコーチ、楽天の監督を経て、23年に巨人の1軍打撃チーフコーチに就任した。
巨人では、原辰徳監督(66)のもと、1年間コーチとして指導し、23年オフに原監督の退任に伴い退団した。
選手、指導者両方の立場で巨人に在籍した経験を持つ大久保氏は、「巨人には巨人の教育がある」とし、プロやキャリアをスタートさせた西武との「教育」を比較しながら、巨人の「教育」について語った。
「(西武)ライオンズの場合、『チーム一丸となっていけ』と。『個人個人が、仲が悪くてもいい。勝つためにいる。お前たちは戦士だ』と。巨人は1人(個人)が大きい。そういう教育なので、『ダメでも個人で責任を負えばいいでしょと。能力が高い人が集まれば勝てるのではないですかと。みんな仲良くね』みたいな教育」
そして、22年ドラフト1位で巨人に入団した浅野翔吾外野手(20)に言及。コーチ時代の浅野とのやりとりを振り返り、浅野が伸び悩んでいる原因について自身の見解を述べた。
「浅野がみんなの意見を素直に聞ける子だったら」
大久保氏は「浅野に『お前は若いのだから、俺が担当している間は、初球からぶりぶり行けと。審判がストライクと言うのは、打ちなさいと言っているととらえてくれ。見逃すのはいつでもできる』と言った」と説明し、こう続けた。
「(浅野が)打席に行きます。ストライク来ます。見送る。そういう空気なんですよ。先輩がたの空気が。僕らが何を言おうが、近くにいる先輩の方が、はるかにいい意見になる。『お前のやりたいようにやったらいいんじゃないのか?』という空気が流れる。『お前は必ず打てるようになるよ』と。具体的な何かではなく、そういう空気なんです」
現在、野球解説者として活躍する大久保氏。巨人退団後、知り合いから「秋広どうですか?浅野どうですか?」と聞かれると、決まって「伸びない。素直さがない」と答えてきたという。
大久保氏は「浅野が僕の意見ではなく、みんなの意見を素直に聞ける子だったら」と切り出し、次のように持論を展開した。
「例えば、バントが下手だった子が努力で(コツを)つかんだら手放さない。(浅野は)スタメンで初めて出たときに、(グランドで)足をひっかけてずっこけた。センスがある人なら、(野球人生で)1度もなく終える。20年の現役生活で。(浅野は)不器用なんです。不器用なのに、自分のものを持っているのが伸びない最大の原因だと思う」
浅野はルーキーイヤーの23年は24試合に出場し、打率.250、1本塁打、2打点。24年は、40試合に出場して、打率.240、3本塁打、18打点をマークした。プロ3年目の今シーズンは、2軍で開幕を迎え、一時3軍に降格。5月7日に1軍に昇格し、1軍では4試合に出場して、打率.273、2本塁打、3打点を記録している。