王鵬 2個目の金星 “同期”豊昇龍を撃破 角界の“王族”対決制した
2025年5月14日(水)4時45分 スポーツニッポン
◇大相撲夏場所3日目(2025年5月13日 両国国技館)
平幕・王鵬が横綱・豊昇龍をはたき込みで破って3連勝、2個目の金星を挙げた。ともに18年初場所で初土俵を踏んだ同期の横綱に対し、三つ巴の優勝決定戦で寄り倒された初場所千秋楽の借りを返した。豊昇龍は初黒星。綱獲りの大関・大の里も平幕・阿炎を送り出して3連勝となった。
互いに低い姿勢でぶつかり合うと、王鵬は突き、押しで攻勢を強めた。横綱の足がそろい、バランスを崩した瞬間を逃さない。首の後ろへ手をかけ、はたき込んだ。「自分の中では最高の形。(突きの)重さ、角度も良かった。そのまま攻められればよかったが(体勢の)戻りの早さはさすが横綱だなと思った」と振り返った。
高校時代から対戦を重ね、18年初場所初土俵の同期生でもある横綱はやはり特別な存在。初場所では同じ3敗で並んだ千秋楽に三つ巴の優勝決定戦で敗れた借りもある。豊昇龍の底力を改めて知る一方、会心の相撲でリベンジした。「前は前、今日は今日、今は今。しっかり集中できた結果です」
まさに泰然自若。優勝32回の大横綱・大鵬を祖父に持ち、メンタルの操縦術はしっかり受け継いだ。一方、豊昇龍は横綱・朝青龍のおいで入門時から出自が比較されてきた。これで対戦成績も4勝3敗と先行。八角理事長(元横綱・北勝海)も「王鵬は立ち合いで当たり負けしなかった。化けた感じがする」とうなった。
きょう4日目は同じく3連勝の大の里と激突する。「3連勝は上々。これ以上ない滑り出し」と王鵬。1横綱2大関撃破となるか。最強の遺伝子を受け継ぐ大器がいよいよ覚醒しつつある。