「無事是名馬」を地でいくタフガイ、楽天・鈴木大地 140死球は現役最多、歴代8位
2025年5月16日(金)8時0分 スポーツニッポン
楽天が年に一度、東京ドームでホームゲームを主催する「楽天スーパーナイター」が15日に実施された。試合はロッテに2—5で敗れたが、浅村栄斗内野手(34)が7回に通算1998安打目となる適時打。球場が大いに盛り上がったが、実は、この回の攻撃中にとある“記録”が密かに更新された。
無死一塁で鈴木大地内野手(35)が受けた通算140個目の死球。これは歴代では8番目で、現役選手の最多記録でもある。
通算死球数の歴代トップ10は以下の通りだ。
(1)清原和博 196
(2)竹之内雅史 166
(3)衣笠祥雄 161
(4)阿部慎之助 152
(5)村田修一 150
(6)井口資仁 146
(7)中島宏之 141
(8)鈴木大地 140
(9)稲葉篤紀 138
(10)井上弘昭 137
球史に名を残す名選手ばかりで、鈴木大は現役で唯一ランクインしている。ちなみに、現役で2番目に多いのは西武・中村剛也で97死球(歴代25位)、3番目のソフトバンク・柳田悠岐とロッテ・中村奨吾の91死球(同31位)と続く。
ロッテ担当時代、当時2年目だった鈴木大から聞いた逸話を思い出した。まだ現役だった井口資仁氏(通算146死球)とロッカーが隣で「井口さんがユニホームを脱いだら、死球でできたアザだらけで凄くビックリして。これぐらい体が強くならないと、この世界で長くやっていけないんだなと思いましたね」と驚き混じりに話していた。
月日が流れ、楽天に移籍後の22年5月14日の西武戦で通算100死球を記録したタイミングでは、当たった右肩付近をさすりながら「うれしくはないですね。だって痛いし。でも、当てたピッチャーの方が痛いと思いますよ」と笑っていた。
プロ14年目。まさに「無事是名馬」を地でいくタフガイだ。8月には36歳の誕生日を迎えるが、心も体もまだまだ若々しい。あと6死球で、若手時代に衝撃を受けた井口氏に並ぶ。死球は選手生命にも影響しかねないだけに「さらに上を目指して…」なんて言えないが、これからも献身的にチームを支えながら、死球以外のあらゆる数字を伸ばしてもらいたい。(記者コラム・重光 晋太郎)