阪神 「代打の神様」がいない...成功率リーグワースト.136 痛すぎた7回同点直後の“勝負手”楠本不発

2025年5月17日(土)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神2—4広島(2025年5月16日 甲子園)

 阪神は16日、2位・広島との首位攻防第1ラウンドに敗れて2連敗を喫し、5月4日以来12日ぶりに首位の座を明け渡した。2点を追う7回は4安打を集中して同点とし、なおも1死一、三塁から代打・楠本泰史外野手(29)を起用。だが、併殺に倒れて勝ち越せず、9回に守護神の岩崎優投手(33)が2失点して競り負けた。今季の代打成功率は、リーグワーストとなる・136。“神様不在”が響いた。

 勝負手が決まらない。虎が「代打の神様」欠乏症に陥っている。2点を追う7回。前川と木浪の適時打で追いついて、なおも1死一、三塁で代打・楠本が打席に立った。DeNAを戦力外になって今季加わった打撃の職人だ。しかし、森下の4球目、内角のカットボールに詰まって一塁線のゴロ。モンテロが捕球してすぐに一塁ベースを踏み、飛び出していた三塁走者の前川が挟まれて憤死した。痛恨の併殺で、一気に逆転というシナリオは崩れ去った。

 藤川監督の頭の中も、その回に試合をひっくり返すイメージができあがっていた。「もちろん、そうですね」。今季3度目の対戦になった森下に序盤は封じられる中で、「必ずそういう展開(連打が出る)がありますからね」と流れが来るのをじっと待った。読み通りに大きな波がやってきたが、乗りきれなかった。この3試合、終盤に粘りながらも勝ち越すまでいたらず、「誰かが突き破らないといけないというところですね」と悔やんだ。9回に守護神・岩崎が2点を失い、敗れた。

 チームの代打成功率は、リーグワーストの・136(66打数9安打)にあえぐ。代打が打点を挙げたのは、糸原と渡辺の計2打点にとどまる。投手の打席で野手を送るケースが多いセ・リーグでは、強力な代打の有無がチームの浮沈を左右しかねない。事実、18年ぶりリーグ制覇をした23年は、右の原口、左の糸原が仕事を果たす試合が目立った。

 しかし、今季は軸が不在で、この日もモロに響いた。森下に対して試合前まで通算打率・320(25打数8安打、1本塁打)を誇った楠本は、糸原を押しのける形で出番を告げられたものの、虎加入後の代打成績は8打数無安打になった。

 指揮官は試合全体を振り返り、「各自がわかっていると思いますから、また明日ですね」と前を向いた。首位攻防の初戦を落とし、2位だった広島に首位の座を明け渡した。2位に後退するのは5月4日以来。打線は5試合連続で2得点以下と爆発力に欠ける。湿りがちだからこそ、ここぞで結果を出す「代打の神様」が欲しい。(倉世古 洋平)

スポーツニッポン

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