【阪神】岩崎優が左腕初の通算100セーブ&100ホールド「自分も含め、誰も達成すると思っていなかった」
2025年5月18日(日)5時0分 スポーツ報知
通算100セーブを達成し、記念ボードを掲げる岩崎(カメラ・馬場 秀則)
◆JERAセ・リーグ 阪神5—2広島(17日・甲子園)
いつも通り淡々と腕を振った。9回2死一塁。阪神・岩崎優投手(33)は末包を二飛に抑え、ウィニングボールを受け取った。今季11セーブ目で通算100セーブ。NPB史上8人目、球団では藤川球児以来の「100セーブ&100ホールド」を達成した。左腕では初の快挙に「自分も含め、誰も達成すると思っていなかった」と感慨深げ。ようやく表情が緩んだお立ち台で「昨日はすみませんでした」と前夜(16日)の救援失敗を謝罪し、観客を沸かせた。
入団時は先発。新人で5勝を挙げたが、伸び悩んだ。転機は3年目の16年終盤。当時の金本監督にリリーフ転向を打診され「期待に応えたい」と発奮した。翌17年から8年連続40試合以上に登板。球界を代表するリリーバーの地位を確立した。
誰よりも勝利に価値を置く。幼少期から地元のJ1・清水のサポーター。オフを中心に観戦に訪れ、時にアウェーにも足を運ぶ。「アディショナルタイムの時間いっぱいまで諦めない姿を見ると、頑張ろうと思う」。自らスタンドで応援するから、ファン心理も深く知る。「やっぱり、勝てばうれしい。だから、僕はファンの方が喜んで帰れるように仕事を全うしたい」。サッカーに学び、最後まで勝つための最善を尽くす。
チームは連敗を2で止め、1日で再奪首。現役時代に師弟関係にあった藤川監督は「現役が終わるまでは、立ち止まらない方がいい」と激励した。アマ時代は無名で、ドラフト6位から始まったプロ野球人生。岩崎は「誰も想像していない数字をどんどん積み重ねていきたい」と思い描いた。想像を超える物語は、まだまだ続く。(直川 響)