広島・モンテロ「完璧」来日初アーチ「遅い球を我慢して速い球を待てた」 一夜で2位転落のチームに光
2025年5月18日(日)5時45分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島2—5阪神(2025年5月17日 甲子園)
広島は17日の阪神戦(甲子園)に2—5で敗れ、連勝が4で止まった。チームは首位浮上から一夜にして2位転落となったが、エレフリス・モンテロ内野手(26)が4点を追う8回に来日1号の2ランを放ち、意地を見せた。先発・床田寛樹投手(30)は今季最短5回7安打4失点で3敗目(4勝)を喫した。
モンテロは、打った瞬間、本塁打を確信した。0—4の8回1死一塁で、大竹の内角133キロ直球を一閃(いっせん)。左翼席中段に飛び込む反撃の来日1号2ランを放ち、チームが苦手とする左腕を降板に追い込んだ。
「完璧でした。自分のプランは1打席目と同じだった。自分の好きな球(直球)を待っていて、(来るまで)我慢していた。いいアプローチができた」
来日33打席目で飛び出した待望の一撃。結果的には敗れたとはいえ、無抵抗で敗れては次戦にも響く。そういう意味でも大きな一発と言えた。
「(5回の打席は)遅い球に我慢できなかったけど、最後の打席も同じ気持ちで打席に入って、我慢して速い球を待てた」
臨機応変。技巧派左腕と対戦したこの日の過去2打席の反省から“我慢”を貫き、結果につなげた。2回2死の1打席目は105キロのチェンジアップを打たされて遊ゴロ。続く5回の2打席目も“遅球攻め”に遭い初球82キロカーブと2球目の106キロチェンジアップで追い込まれ、最後は118キロチェンジアップで空振り三振に倒れた。反省をすぐに生かせる対応力を発揮し三度目の正直で打ち砕いた。
試合前から戦いは始まっていた。事前に大竹の映像を見て「どういう球を投げるかを勉強した」。持ち球、配球の傾向を頭に入れて打席に向かい、打席ごとにアジャスト。その姿勢に新井監督も「ボール球もちゃんと見極められてるし、センター中心に打ち返せている。試合に出ていく中で、良くなってくれると思います。(もっと)上がってくると思います」と目を細めた。
チームは今季初対戦となった大竹に勝利を献上し、これで左腕は広島戦通算10勝1敗。難攻不落の難敵に違いないが、モンテロの一発が次回対戦への布石となったであろうことも間違いない。
「見たことのない投手の見たことのない球が多いが、毎回、勉強している。シーズンは長い。2回目、3回目の対戦になれば、もっといいアプローチができると思う」とモンテロ。左脇腹の肉離れから13日に復帰後、5試合中4試合で安打を放ち、3試合で打点をマーク。この日の一撃は、出遅れた自らへの号砲でもある。(長谷川 凡記)