広島・モンテロ 延長12回サヨナラ打で自ら1軍復帰祝い 「自分が決められて最高だった」
2025年5月14日(水)5時45分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島5—4巨人(2025年5月13日 マツダ)
左脇腹の肉離れから復帰した広島のエレフリス・モンテロ内野手(26)が、13日の巨人戦(マツダ)で昇格即「7番・一塁」で先発出場し、4—4の延長12回に来日初のサヨナラ打を放った。5回にも左前打を放つなど出場4試合目で初のマルチ安打も記録。3月30日阪神戦以来44日ぶりの1軍舞台で躍動し、チームを2位浮上へと導いた。投げては8番手登板したドラフト3位ルーキー・岡本駿投手(22)が、1回無失点でプロ初勝利を挙げた。
モンテロが、自らの復帰祝いと言わんばかりに、大仕事をやってのけた。4—4の延長12回1死一、三塁から石川の初球チェンジアップを中前へ。中堅手・浅野の前で打球が弾むと、一塁ベンチから飛び出したナインの中心で、満面の笑みを浮かべた。
「今日は本当に良かった。長い間、試合に出られなかったけど、今日は、あの場面(延長12回)でチームが粘って、自分が決められて最高だった」
4時間13分の激闘に決着をつけ、誇らしげだった。本拠地・マツダスタジアムで初めて上がったお立ち台では「サイコーデース」と日本語で絶叫。5回の第3打席に左前打を放ち、自身4試合目で初のマルチ安打を記録。左脇腹の肉離れで1カ月弱、戦列を離れていただけに、勝利に貢献してホッと胸をなで下ろした。
リハビリ期間のモンテロを支えてくれたのは、同じドミニカ共和国出身の同僚ファビアンだった。リハビリ期間中も自宅のマンションを行き来し、近況報告とともに、「励ましの言葉もかけてもらってきた」という。オープン戦でファビアンの調子が上がらない時には「シーズンでどうやって結果を出すかが大事だから、一緒に考えていこう」とモンテロが相談役になったが、今回は逆の立場で力をもらい、結果につなげた。
「(サヨナラ打を打って、ファビアンからは)“おめでとう、次の試合も同じ気持ちで入ってください”と言葉を掛けてくれた」
練習時は、ファビアンの初本塁打記念Tシャツや、ドミンゲスの初勝利記念Tシャツを着用。自身もその作製を望んでいただけに、この夜の活躍で、ようやく記念Tシャツが作製されることになりそうだ。
「つくるときはドミンゲス、ファビアンが半分で、自分を一番大きくプリントしてほしい。フェリシアーノ通訳は一番小さくね」
M砲の活躍で、チームは2位に浮上。新井監督からも「最高の場面で打ってくれた。今日は久しぶりに帰ってきてのスタートだったが全打席内容も良かった」と賛辞を受け取った。(長谷川 凡記)
【ドラ3岡本プロ初勝利】広島のドラフト3位ルーキー・岡本が、嬉しいプロ初勝利をつかんだ。4—4の延長12回に8番手で登板。2死から増田陸に左前打を許したが、この日2ランを放っていたキャベッジを右飛に仕留めた。直後にチームはサヨナラ勝ちを収め、初勝利をゲット。ヒーローインタビューでは「本当に嬉しくて、気づいたら駆け出していました」と振り返った上で、「ルーキーの岡本駿です。これからもっと、しびれる場面で抑えられるように頑張るので応援よろしくお願いします」とさらなる活躍を誓った。