柏がネルシーニョ監督と契約解除、“第2次政権”は5年目で幕…後任は井原正巳氏に決定

2023年5月17日(水)15時11分 サッカーキング

柏がネルシーニョ監督との契約解除を発表 [写真]=兼子愼一郎

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 柏レイソルは17日、ネルシーニョ監督との契約を解除したことを発表した。なお、井原正巳ヘッドコーチが新監督に就任することも決定している。

 現在72歳のネルシーニョ監督は母国ブラジルで指導者キャリアをスタートさせた。1994年に初来日を果たし、ヴェルディ川崎(現:東京ヴェルディ)のコーチに就任。その後は母国クラブやチリのクラブ、さらには名古屋グランパスを経て、2009年7月より柏を率いることに。同シーズンはJ2降格の憂き目を見たものの、翌シーズンにJ2優勝を果たすと、続く2011シーズンにはクラブを史上初のJ1優勝へと導いた。昇格1年目でのJ1優勝は史上初の快挙だった。

 2014シーズン限りで柏の指揮官を退任した。2015シーズンから2017シーズン途中まではヴィッセル神戸を率いており、母国スポルチを経て2019年より再び柏の監督に就任。当時J2に沈んでいた柏を1年でのJ1復帰へ導いた。2020シーズンにはJリーグYBCルヴァンカップでの決勝戦進出に貢献。今季の明治安田生命J1リーグでは開幕から6試合未勝利と苦しい状況が続いた。第13節終了時点では2勝5分6敗の勝ち点「11」で16位に沈んでいる。得点数はリーグワーストの「8」となっていた。

 また、現在55歳の井原新監督は現役時代に横浜F・マリノスやジュビロ磐田、浦和レッズでプレーした。日本代表ではキャプテンを務めただけでなく、歴代4位の出場試合数となる通算122試合に出場。“アジアの壁”として知られていた。指導者としては2009シーズン、2013シーズンに柏で監督代行を務めたほか、2015年にはアビスパ福岡の監督に就任。2018シーズンまでクラブを率いた。翌シーズンより柏のヘッドコーチに復帰。昨シーズンにネルシーニョ監督が左アキレス腱を断裂した際には、監督代行として指揮を執っていた。

 内部昇格の形で今季の柏を託されることとなった井原新監督は、クラブ公式HPを通して以下のように意気込みを明かしている。

「レイソルに関わる皆様へ、いつも応援をいただきありがとうございます。ネルシーニョ監督の後を任されることになりました。今の成績は決してネルシーニョ監督だけによるものではなく、我々スタッフも責任を感じています。ネルシーニョ監督のためにも、この現状を変えるべく、チーム、選手、スタッフでもう一度結束して、チームを蘇らせるように全身全霊を尽くします。そのためにはファン・サポーターの皆様の今まで以上の応援と後押しが不可欠です。我々とともに、柏レイソルの勝利のために戦ってください。よろしくお願いいたします」

 なお、柏は同時にクラブ公式HPで『ファン・サポーターの皆様へ』と題し、以下のように声明を発表している。

「平素より、柏レイソルへのご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。まず、今シーズンは、ここまでのリーグ戦13試合で2勝5分6敗の16位と低迷し、ファン・サポーターやスポンサー各社の皆様をはじめ、関係各所の皆様にご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」

「クラブとしましては、今シーズンも引き続きネルシーニョ監督体制を支えていくという方針でスタートしました。一方で開幕からなかなか勝利がつかめず、3月下旬頃から強化担当がネルシーニョ監督と対話を重ねてまいりました。選手たちの頑張りや試合内容の変化も見えてきておりましたが、5月13日の横浜FC戦の結果を受け、ネルシーニョ監督と双方合意の上で、退任という結論に至りました」

「ネルシーニョ監督には、合計11シーズンに渡り、監督を務めていただきました。2度のJ1復帰、史上初となる昇格即Jリーグ制覇、天皇杯やヤマザキナビスコカップの優勝、アジアチャンピオンズリーグのベスト4など、柏レイソルの歴史に残る一時代を築いていただきました。長年の功績と偉業にクラブを代表して心より感謝を申し上げます」

「そして、井原正巳ヘッドコーチに、新しく監督として指揮を執っていただくことになりました。選手として日本サッカー史に残る実績を残し、引退後はアビスパ福岡で監督経験を積み、ネルシーニョ監督の下でも長くヘッドコーチを務めるなど指導者経験も重ねております。シーズン途中の交代でもあり、今のチーム状況や選手たちの特徴をもっとも把握している最適の人材として、チームの立て直しを託しました」

「先日の横浜FC戦の後、ファン・サポーターの皆様からいただいた厳しい声も温かい声援も、柏レイソルを愛してくださっているがゆえのお気持ちであり、心より感謝するとともに重く受け止めております。我々は皆様のご支援に応えなければなりませんし、どんな状況でも諦めず、勝利を追い求めて戦い続けます。リーグ戦の残り21試合に向け、この困難な状況を乗り越え、上の順位をめざしていくためにも、引き続き皆様の熱い応援、後押しを賜りますよう、お願い申し上げます」

サッカーキング

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