ブレークの兆し及川の影に「ハルトの教え」あり ここまで18試合登板防御率0・49

2025年5月18日(日)11時31分 スポーツニッポン

 高卒6年目左腕・及川に大ブレークの兆しだ。現在、18試合登板で防御率0・49。昨年までは、先発、中継ぎ両方で起用されてきたが、今季はここまで中継ぎ一本で活路を見いだしている。及川自身は今年の好調の要因に、「変化球の精度向上」を挙げた。

 神宮球場の記者席は、スタンドの高い位置にある他球場とは違い、バックネットの真下に位置する。4月17日のヤクルト戦。記者はその席から及川の投球を見た。11回1死、西川から外角カットボールで見逃し三振。その球筋が、ある投手に似ているように感じた。及川本人にそのことを伝えると、ニヤリと笑いながら答えてくれた。

 「似ていますかね?今の僕はもう、ほぼ遥人さんでできているので」

 及川は昨年から高橋遥人に、カットボールを教わっていた。「誰が見てもえぐい投手。聞かない手はないので」。握り方、リリース時の意識を聞き、自身の感覚とすりあわせる中で、今年、答えが見つかった。

 「カットに関しては、直球と同じに見せるイメージではなく、曲げに行くぐらいの気持ちで投げています。自分にはカットと同じ球速帯で沈むツーシームがあるので。それと対になるように意識しています」

 成果は数字に表れている。昨年、左打者に被打率・308(52打数16安打)と打ち込まれた。「左に対して、逃げていく球の精度がいまいちだった」。そこに“ハルト流”のカットボールが加わると、今季はここまで被打率・080(25打数2安打)と良化。「ツーシームと途中まで同じ球速で逃げていくので。そこは効いているのかも」とうなずいた。

 「いつかリレーができたらいいですね」。高橋は現在、「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」を終えてリハビリ中。“師匠”と共闘して勝ちを得るまで、1軍の舞台で腕を振り続ける。(記者コラム・松本 航亮)

スポーツニッポン

「登板」をもっと詳しく

「登板」のニュース

「登板」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ