プロ10年目、ソフトバンク・川瀬がプロ1号の決勝弾!!王貞治球団会長のバースデーに祝砲!!
2025年5月21日(水)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ ソフトバンク5—2日本ハム(2025年5月20日 エスコンF)
ソフトバンクの川瀬晃内野手(27)が20日、首位・日本ハム戦でプロ初本塁打を放った。2—2の6回、先頭で勝ち越しの右越えソロ。プロ10年目、通算785打席目で放った一発が決勝弾となった。チームは王貞治球団会長の85歳の誕生日を白星で飾って3連勝。今季初めて貯金をつくり、順位は4位のままだが、日本ハムとのゲーム差を2・5とした。
バットのヘッドを利かせたスイングが生んだ打球は、右翼ポール付近にある相手ブルペンで弾んだ。川瀬が10年目でプロ1号のソロを放った。
「実はあまり覚えてなくて。プロ人生でホームランは諦めていた。10年目で初。ちょっと恥ずかしい」
2—2の6回、先頭で高めに浮いた内角スライダーを完璧に仕留めた。ダイヤモンド一周は、ほぼダッシュ。三塁ベースを踏みながら右腕を突き上げ、両拳を握ったりして喜び、ベンチに戻るとお祭り騒ぎだった。
勝負強さと集中力が魅力の男は“伊藤キラー”。昨季まで通算30打数12安打、打率・400と得意にした。2番で起用され、3打席目で期待に応えた。「伊藤投手は日本を代表する投手ですし、実は同学年。ライバルとしての意識を持ってる中、カード頭のいいところで打てたのは良かった」。難敵から放った決勝アーチを喜んだ。
この日は王貞治球団会長の85歳のバースデーだった。同日の白星は15年以来10年ぶりで連敗を5で止めた。通算868本塁打の“世界のホームラン王”をプロ1号で祝福した川瀬は「会長もびっくりされていると思いますよ。僕のホームランが誕生日プレゼント」と自虐的に言うと爆笑していた。
チームは3連勝で今季初の貯金1。首位の日本ハムとのゲーム差を2・5とした。川瀬のバットを寝かせて一直線に振り抜くスイングは22〜23年に2軍を指揮した指揮官から叩き込まれた。「筑後で小久保監督から“一からやり直せ”と言われて今もずっと続けてます。“バットを滑らせず、球をバットにかませろ”と。これからもやっていきます」。教えを実践し続ける川瀬に対し、小久保監督は「ヒカルがね、プロ初、決勝(弾)ね。あと初貯金やから」と大喜びした。
「僕が求められているのは本塁打ではない。最優先はつなぎ役や小技。これに重きを置いて、いつでも出られるように準備するだけ」と川瀬。謙虚な姿勢を忘れず、チームの勝利のためにベストを尽くす。(井上 満夫)